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2013/05/07

アメリカ国務省、 中国は国際法に合致しない海洋権益の主張を新たに積み重ねた

領海基線、国際法と合致せず=尖閣問題で中国の対応に疑義-米報告書



 【ワシントン時事】米国防総省は6日に公表した中国の軍事力に関する年次報告書で、中国政府が沖縄県・尖閣諸島周辺に独自に設定した領海基線について、設定法が不適切であり、「国際法に合致しない」と述べた。

 基線は領海の幅を測定する根拠になる。中国政府は日本政府の尖閣国有化への対抗措置として、尖閣諸島を中国領として扱えるような形で基線を設定し、一方的に国連に申告。日本は基線を設定する行為自体、受け入れられないとの立場だ。

 報告書はこれに関し、中国は国有化以来、日本が領海としている同諸島から12カイリ以内でも監視船を日常的に運用していると分析。その上で「中国は2012年9月、不適切な形で引かれた尖閣諸島周辺の直線基線を利用し始め、国際法に合致しない海洋権益の主張を新たに積み重ねた」と強調した。 

 また、中国政府がパスポートなどに、南シナ海全域を自国領だと示唆する境界線を印刷していることに触れ、「周辺諸国の懸念の種になっている」と指摘。さらに東シナ海と南シナ海で監視船を運用している中国当局のパトロール能力に関し、20年までに国家海洋局は現状より50%、漁業局は25%、それぞれ向上すると予測した。(2013/05/07-08:22)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013050700040