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2013/03/14

新法王名はフランシスコ1世=イエズス会から初


新法王はフランシスコ1世

3月14日 4時51分

新しいローマ法王を選ぶためにバチカンで行われていた「コンクラーベ」で、日本時間14日未明、アルゼンチン出身のホルヘ・ベルゴリオ枢機卿が第266代のローマ法王に選ばれ、フランシスコ1世と名乗ることになりました。


コンクラーベが行われていたバチカンでは、日本時間14日午前3時過ぎ、礼拝堂の煙突から法王が選出されたことを示す白い煙が上がり、アルゼンチン出身のホルヘ・ベルゴリオ枢機卿が第266代のローマ法王に選ばれ、フランシスコ1世と名乗ると発表されました。

このあと、フランシスコ1世がみずから大聖堂のバルコニーに姿を見せ、集まった数万人の信者を前に、「世界すべての友情と愛と信頼のために祈りをささげ、実りある旅を続けることができることを期待したいと思います」とあいさつをしました。

フランシスコ1世は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス出身の76歳。1997年にブエノスアイレスの大司教に就任したあと、2001年に2代前のヨハネ・パウロ2世から枢機卿に任命されました。

南米出身の法王はバチカン史上初めてで、世界でカトリック信者が最も多い南米地域の出身の法王を望む声を反映したものと受け止められています。

日本時間13日未明に始まった今回のコンクラーベは、開始から2日目に新しい法王が選出される結果となりました。


ベルゴリオ枢機卿とは
ベルゴリオ枢機卿は聖職者としてのほとんどの期間をアルゼンチンで過ごし、1997年にブエノスアイレスの大司教に就任したあと、2001年に枢機卿に任命されました。

前回のコンクラーベでも有力な候補として名前が挙がり、前の法王のベネディクト16世の次に多くの票を獲得したとも伝えられています。

人工中絶や同性愛などには反対の立場を示しているものの、最も保守的とされる南米のカトリック教会を穏健的な思想へと導いていると評価されてきました。


名前の由来は
新しくローマ法王となったフランシスコ1世の名前は、平和や摂理の象徴とされた12世紀の現在のイタリアの聖フランチェスコに由来します。

裕福な家に生まれた聖フランチェスコは、富を捨て修道会の1つフランシスコ会を創設したことで知られ、神から教会の再建を託されたとも伝えられています。

法王の名前は、コンクラーベで選出された枢機卿がみずから決めることになっており、今回、フランシスコを名前に選んだ背景には、さまざまなスキャンダルに揺れるカトリック教会に平和と静けさをもたらすことを望んだからではないか、という見方も出ています。


2日目での選出
コンクラーベはこの100年間で、今回も含め9回行われています。

このうち、最も早く法王が決まったのは、1939年のピウス12世で、2日目に3回目の投票で選ばれました。続いて、1978年のヨハネ・パウロ1世と、前回、2005年のベネディクト16世が、いずれも2日目に4回目の投票で選ばれました。

2日目に5回目の投票で新しい法王が決まった今回のコンクラーベは、それに続く早さです。

一方、この100年間で最も時間がかかったのは、1922年にピウス11世が選ばれたコンクラーベで、5日目に14回目の投票で決まりました。







新法王にアルゼンチンのベルゴリオ枢機卿

2013年03月14日 07:12 発信地:バチカン市国

【3月14日 AFP】ローマ法王庁(バチカン)は13日、新しいローマ法王を選ぶ会議「コンクラーベ」でアルゼンチン出身のホルヘ・マリオ・ベルゴリオ(Jorge Mario Bergoglio、76)枢機卿を第266代法王に選出した。フランチェスコ1世(Francis I)を名乗る。南米出身者が法王に就くのは初めて。

 サンピエトロ大聖堂(St Peter's Basilica)のバルコニーに現れた新法王は、大聖堂前に集まった何万人もの信者から「Habemus Papam!」(新法王が誕生した!)と感嘆の声で迎えられた。

 システィーナ礼拝堂(Sistine Chapel)の煙突からは法王選出を知らせる白い煙が上がり、サンピエトロ大聖堂の鐘が鳴り響いた。5回目の投票で新法王が決まった。

 イエズス会(Jesuit)初のローマ法王となったベルゴリオ枢機卿は、先月に退位したベネディクト16世(Benedict XVI)を選出した2005年のコンクラーベで次点候補だったとされている。(c)AFP/Dario THUBURN





新ローマ法王にベルゴリオ氏 初の中南米出身 

2013/3/14 4:26 (2013/3/14 12:31更新)

 【バチカン市=原克彦】ローマ法王庁(バチカン)は13日の法王選挙会(コンクラーベ)で、新しいローマ法王にアルゼンチン人でブエノスアイレス大司教のホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿(76)を選出した。伝統を誇る欧州以外から法王が選ばれるのは約1300年ぶりで、中南米出身者は初めて。カトリック教会の変化を世界に示すことになりそうだ。

 266代目の法王となるベルゴリオ氏は、12日に始まったコンクラーベの5回目の投票で3分の2を超える票を獲得した。法王名には「フランチェスコ1世」を選んだ。バチカンは新法王の戴冠式を19日に開くと発表した。

 ベルゴリオ氏は穏健派な保守派で、社会問題への対応では前衛的な面もあるとされる。キリスト教の原理的な教義を重んじる保守派と、現代社会に即した対応を促すリベラル派の対立が激しい近年のカトリック教会で、多くの枢機卿が同氏のバランス感を重視したとみられる。

 中南米の信者数が5億人を超え、世界全体の半数に迫るなど発言力を増してきたことも影響したもようだ。他の有力候補にも中南米や信者の増加率が高いアフリカの枢機卿らが挙がっていた。

 今回のコンクラーベは、前法王のベネディクト16世が高齢を理由に2月末で退位したことを受けて開催。ローマ法王が存命中に退位したのは約600年ぶりとあって、その後の人選が注目されていた。

 ベルゴリオ氏は新法王として、過去数年で続出した不祥事への対応やバチカン内部の権力闘争を沈静化できるかが問われる。イスラム教や中国との関係改善、資金洗浄対策の強化などの課題にも取り組む。

 ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ氏 大学で化学を学んだ後、イエズス会に入会し哲学と神学を学び1969年に司祭に任命された。36歳の若さでイエズス会のアルゼンチン管区の区長に抜てき、ドイツへの留学経験もある。98年からブエノスアイレス大司教。2001年に当時のローマ法王、ヨハネ・パウロ2世が枢機卿に任命した。ブエノスアイレス出身。