ページ

2013/02/27

高野山真言宗、宗務総長の不信任案可決を受け宗会を解散

高野山真言宗、6.8億損失か お布施など運用に失敗

2013年2月27日7時27分




 【渡辺周、上田真由美、山野拓郎】空海(弘法大師)が開創して約1200年の伝統を持つ宗教法人の高野山真言宗(総本山・金剛峯寺〈こんごうぶじ〉、和歌山県高野町)が、資金運用に失敗して少なくとも6億8千万円の損失を出していたことが、関係者の話でわかった。約3700の末寺から集めた檀(だん)信徒からのお布施も含まれている。

 26日に始まった宗派の議会にあたる宗会には、宗会議員を務める僧侶35人が参加。庄野光昭宗務総長は、多額の損失を出したことについて「運用が思いにまかせず推移している。無念で慚愧(ざんき)に堪えない」と説明した。

 宗会は年2回、全国から宗会議員が集まり人事や予算などを決める。庄野総長は内閣の役割を果たす「内局」トップだ。






高野山真言宗が異例の宗会解散 「運用損失」トップ不信任

 宗教法人高野山真言宗(総本山・金剛峯寺、和歌山県高野町)で、資金運用をめぐり約6億8千万円の損失を出したとして、議会に相当する「宗会」が27日までに、トップの庄野光昭宗務総長への不信任案を可決、庄野宗務総長が宗会を解散したことが分かった。

 高野山は弘法大師空海が約1200年前に開いた。

 高野山真言宗によると、不信任案可決も宗会の解散も極めて異例。宗会の解散は1952年以来、約60年ぶり。損失については「運用損よりも運用益が上回っている」と説明している。

2013/02/27 13:55   【共同通信】




高野山真言宗:宗会を解散 宗務総長の不信任案可決

毎日新聞 2013年02月27日 12時19分(最終更新 02月27日 12時49分)

 空海(弘法大師)が開創した宗教法人の高野山真言宗(総本山・金剛峯寺、和歌山県高野町)で、宗団の資金運用を巡り約6億8000万円の損失が出ているとして、宗派の議会に当たる「宗会」が内閣に相当する「内局」のトップ、庄野光昭・宗務総長への不信任案を可決したことが分かった。庄野宗務総長は27日、宗会を解散した。不信任案可決や宗会解散は極めて異例で、宗団内の対立が深まっている。

 森寛勝・財務部長によると、宗団は03年から資金運用を始め、現在約30億円を運用している。従来は30年満期など長期のものが多かったが、07年ごろから早期償還された資金の再運用で4〜5年満期の短期商品を購入。そのうち、昨年までに満期になった短期商品の運用損が約6億8000万円になった。

 ただ、森財務部長は「全体の運用損益では運用益が上回っている」と説明。運用収益は経営難の高野山大への助成や宗団の経常経費、社会福祉事業への助成などに使われている。

 26日の宗会では、庄野宗務総長が「運用が思うにまかせず推移している」などと述べた。議員側は納得せず、不信任案を提出し、小差で可決された。宗会議員は全国10ブロックで選挙された27人と、宗務総長が任命する10人で構成。解散後50日以内に地方選出議員の選挙が行われる。【上鶴弘志】






高野山真言宗の宗会、解散決定…資産運用巡り

 宗教法人の高野山真言宗(総本山・金剛峯寺、和歌山県高野町)で、議会にあたる宗会(議員37人)の解散が27日、決まった。

 資産運用のあり方に関して、内局のトップである庄野光昭宗務総長に対する26日の不信任決議を受けたもので、今後、指名による10人を除く議員27人の選挙が行われる。

 記者会見した庄野宗務総長によると、証券会社に任せていた資産運用の中で、2002~12年、計約9億円の利益が出た一方、商品によっては損失が発生したケースがあったという。26日に開かれた宗会で、議員の一部から「会計の不明朗さがあったのでは」などとの批判の声があり、庄野宗務総長の不信任が決まった。庄野宗務総長は辞職はせず、宗会を解散したという。

(2013年2月27日13時29分  読売新聞)