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2013/01/07

イタリア銀行(中央銀行)がローマ法王庁のマネーロンダリング(資金洗浄)対策が不十分だとして、バチカンでのカード決済などを一手に請け負っていた銀行の業務許可を停止

バチカンでカード使えず 資金洗浄対策不十分と停止 観光への悪影響懸念
2013.1.4 11:40
世界中から観光客が訪れるカトリックの総本山のバチカン市国で、昨年12月31日からクレジットカードの決済ができなくなり、土産物やバチカン博物館のチケットなどが現金でしか購入できない事態となっていることが3日、分かった。ANSA通信が伝えた。

 イタリア銀行(中央銀行)がローマ法王庁のマネーロンダリング(資金洗浄)対策が不十分だとして、バチカンでのカード決済などを一手に請け負っていた銀行の業務許可を停止したため。バチカンの大きな収入源である観光部門への悪影響が懸念されている。バチカンに対しては金融機関の取引に不透明な部分が多いとして、欧州連合(EU)などがかねて改善を要求してきた。バチカン側の法整備が進んでいないことを問題視したイタリア銀行は昨年末、バチカンでカード決済を行ってきたドイツ銀行のイタリア法人に監督機関として業務許可を与えない措置を取った。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130104/erp13010411420000-n1.htm





[FT]資金洗浄対策で不合格 バチカンのATM網停止
  2013/1/7 7:00
(2013年1月4日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
 イタリア銀行(中央銀行)とバチカンという巨人同士の対立により、現金を持っていない観光客はシスティーナ礼拝堂の訪問をあきらめざるを得なくなった。

■国際規則に完全には準拠せず
 イタリア銀行はバチカン市国内のATM(現金自動預け払い機)やクレジットカードによる電子決済をすべて遮断した。マネーロンダリング(資金洗浄)を防止する国際的な規則に、世界最小国家の同国が完全には従っていないためだ。

 この件は、バチカンの財政の透明性に新たな疑問を投げかけた。昨年7月の金融システムの調査では、マネーロンダリングやテロ資金調達の撲滅に向けた国際標準の受け入れに関して、バチカンの取り組みはまちまちの評価を受けた。

 バチカン国内のATM網を運営するドイツ銀行のイタリア部門は、同国内で年初以降にサービスを続ける認可を中銀から受けられなかった。脱税やマネーロンダリングに対する国際基準を完全に守っている国家を挙げた欧州委員会の「ホワイトリスト」にバチカンの名前はない。

 ドイツ銀行のイタリア部門は1997年以降バチカンのATM網を運営してきたが、消息筋によれば、イタリア銀行に認可を申請したのは昨年だったという。

 バチカンの広報局長を務めるフェデリコ・ロンバルディ神父は簡潔な声明で、バチカン市国内のATMの利用は「終了しつつある」と述べた。「ほかの事業者と協議が進んでおり、クレジットカードの利用停止は短期間で済むと見ている」。消息筋によれば、新たにサービスを提供する事業者が1月7日にも発表される可能性があるという。

■必要な基準を満たすには時間
 マネーロンダリング対策を検証する欧州専門家委員会評議会(MONEYVAL)の報告書は昨年、中心的な16の推奨策のうち9項目でバチカンに合格点を与えた。報告書によれば、バチカンは銀行の監督体制が十分に効果的であることを示すために、重要な問題にいくつも取り組まねばならず、(欧州委員会の)ホワイトリストに掲載される基準を満たすには時間がかかりそうだ。

 バチカン美術館のウェブサイトが掲載したメッセージは、訪問者に迷惑をかけることを謝罪し、「美術館の理事会の力が及ばない理由」がトラブルの原因だとした。

By Rachel Sanderson
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM04052_U3A100C1000000/