ページ

2012/08/28

北京市内で丹羽大使が乗った公用車が中国人とみられる男に襲撃される 

丹羽大使の公用車を襲撃=男が日の丸持ち去る、けが人なし-尖閣対応に不満か・北京

【北京時事】中国駐在の丹羽宇一郎大使(73)の乗った公用車が27日午後4時(日本時間同5時)すぎ、北京市内で別の車によって強制的に停車させられ、車から降りてきた中国人とみられる男が、車両前方に取り付けられた日の丸を持ち去った。公用車の国旗掲出用ポールが損傷したが、大使にけがはなかった。北京の日本大使館が発表した。

 今月中旬以降、尖閣諸島(中国名・釣魚島)に上陸した香港の活動家らが沖縄県警に逮捕、強制送還されたほか、日本の地方議員ら10人が尖閣諸島に上陸。尖閣問題をめぐり中国各地で反日デモが相次ぐなど反日感情が高まっている。今回の襲撃も大使公用車を最初から狙った計画的犯行の可能性があり、尖閣問題などに対する日本政府の対応に不満を持つ者の仕業との見方も強まっている。

 日本大使館によると、丹羽大使が公用車で公務外出先から大使館に移動している最中に襲われた。市内の幹線道路「四環路」で少なくとも2台の車に停車させられ、そのうち1台から降りてきた男1人が公用車に取り付けられた日の丸を外し、持ち去ったという。

 これを受け、堀之内秀久公使が羅照輝中国外務省アジア局長に「厳正な抗議」を申し入れた。さらに再発防止とともに、今回の問題を刑事事件として捜査するよう要求した。日本大使館は大使公用車を襲った2台の車のナンバーを控えており、北京市公安局に届け出た。羅局長は抗議を受け、「極めて遺憾だ。中国政府として事件の再発防止に全力を尽くしたい」とした上で「在留邦人・日本企業の安全も確保し、法に基づき厳正に対処したい」と回答した。

 2004年8月には北京で開催されたサッカー・アジアカップ決勝戦で日本代表が中国に勝利した後、日本の駐中国公使2人の乗った公用車が中国人に襲撃され、後部ガラスが割られる事件が起きた。(2012/08/27-22:56)

 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012082700830


中国:北京で丹羽大使の車襲われる 日本国旗持ち去られる毎日新聞

2012年08月27日 21時30分(最終更新 08月28日 00時27分)
 【北京・工藤哲】丹羽宇一郎駐中国大使らが乗った公用車が27日午後4時(日本時間同5時)過ぎ、北京市内で中国人とみられる男が乗った車2台に停車させられ、降りてきた男に公用車の前方に掲げてあった日本国旗を持ち去られた。北京の日本大使館は同日夜、中国外務省に抗議し、再発防止や捜査の徹底を求めた。沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)を巡り中国国内で反日感情がくすぶる中、日中関係の一層の悪化が懸念される。

 関係者によると、公用車には運転手や丹羽大使、別の大使館幹部ら計4人が乗車していた。丹羽大使らにけがはなかった。

 現場は「四環路」と呼ばれる環状幹線道路で、市北東部にある日本大使館から約2キロの地点。公務先から大使館に戻る途中、蛇行を繰り返す2台の高級ドイツ車に行く手を遮られ停車させられた。うち1台から降りてきた男に日本国旗を持ち去られたという。

 2台の車は、しばらくの間、公用車を尾行していたという。男は30歳代くらいで、叫んだり、公用車をたたくなどの行為はなかったという。

 事件の際、公用車の同乗者が、2台の車のナンバープレートや国旗を持ち去った男を写真撮影しており、中国側に提出したという。







丹羽・中国大使の公用車襲われる 男が国旗奪う

2012/8/27 23:15
 【北京=島田学】駐中国日本大使館によると、丹羽宇一郎駐中国大使が乗っていた公用車が27日午後、北京市内を移動中に何者かに走行を妨害され、車外に掲げていた日の丸を持ち去られた。大使は無事で公用車にも大きな損傷はない。中国では尖閣諸島の問題を巡り、2週連続で各地で反日デモが起こった。今回の事件もそうした日本への反発が背景にあるとみられる。

 日本大使館の調べでは、丹羽大使を乗せた公用車が襲われたのは、北京市内の大通りが渋滞し始めた午後4時(日本時間同5時)ごろ。後方から来る数台の車からパッシングを受け、真横に来ては幅寄せするなど、数分間にわたる走行妨害を受けた。公用車も逃げたが、混雑し始めた道路上では逃げ切れず、少なくとも2台の車に前を阻まれ、強制的に停車させられたという。

 その後、2台のうち1台から降りてきた中国人とみられる男性1人が公用車外に掲げていた日の丸をポールから抜き取り持ち去った。

 現在、中国当局は日本大使館側が提出した証拠写真や防犯カメラに残った映像などをもとに、大使の公用車を狙った計画的犯行の可能性も含め捜査している。ただ、関係者は「組織的、計画的な犯行ではなく、あくまでも突発的な事件だろう」との見方を示している。



 

反中感情悪化は必至=国交40年交流に影響-公用車襲撃

 【北京時事】丹羽宇一郎駐中国大使の公用車が、中国人とみられる男に襲撃され「日の丸」が奪われた事件により、尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題をめぐり緊張する日中関係がさらに悪化するのは必至だ。中国政府は、秋の共産党大会を前に対日関係の悪化回避を優先、国交正常化40周年の民間交流にも影響を与えない方針だったが、国家を象徴する国旗を奪い去る今回の事件で日本国内の反中感情が一層悪化するのは間違いない。

 中国では尖閣諸島の中国領有を主張する若者らが、2週連続で週末に各地で反日デモを起こした。19日には全国25カ所で一斉に発生。これに対し、中国当局は若者らの愛国感情や主権意識に配慮してデモを容認したものの、警備を強化し、一部都市を除き暴徒化する事態を回避した。

 中国政府筋は「理性的に対応することで、できるだけ両国関係の悪化に歯止めをかけたい」と述べていた。10月にも予定される党大会を前に、胡錦濤指導部には反日デモ拡大で社会の安定が損なわれる事態を絶対に避ける必要があったからだ。

 しかし、こうした中国政府の方針も「日の丸」を襲った今回の事件で崩れ去る恐れがある。国交正常化40周年を記念し9月1、2の両日、北京市内の公園で日本の祭りを通じて両国国民交流を図るイベントは予定通り開催する方向だったが、今回の襲撃事件で見直しを迫られる可能性がある。(2012/08/27-23:34)
  http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012082700871






The Washington Post




Bloomberg






BBC