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2012/06/04

菊地容疑者、東京町田市で「神」の偽名を使う

菊地容疑者 町田では「神」名乗る

 菊地直子容疑者(40)をかくまった犯人蔵匿の疑いで逮捕された高橋寛人容疑者(41)が2年前、特別手配中の元オウム真理教信者高橋克也容疑者(54)と会ったとされる川崎市幸区の賃貸マンション。「まさか…」。住人らは言葉を失った。

 マンションは鉄骨コンクリート3階建て計9部屋。インターネットの不動産情報サイトによると、間取りは2DK、家賃は管理費込みで10万円程度とされる。外壁の一部にはピンクのタイルが貼られ、明るい印象だ。

 夫婦で3階に住む男性会社員(56)は「まさかこのマンションとは」とショックを受けた様子。
 近くの男性(71)は「あそこは人の出入りが激しい。誰が住んでいるかなんて分からない」と話した。

 菊地容疑者はこのマンションを出て、2006~10年に高橋寛人容疑者と東京都町田市のアパートで一緒に暮らした。

 同じアパートに住む男性(49)によると、2人は「神(じん)」という姓を名乗り、夫婦を装っていた。高橋寛人容疑者が内装の仕事をし、菊地容疑者が手伝った時期もあったという。

 菊地容疑者はもの静かで控えめな印象。一緒に酒を飲みに行くと、おつまみを取り分けるなど気配りも見せた。男性は「悪い印象はなかったのに」と振り返った。(共同)

 [2012年6月4日22時8分]



※ ブログ記事タイトル、訂正しました。



オウム:菊地容疑者、潜伏先転々…他信者と生活も

毎日新聞 2012年06月04日 20時59分(最終更新 06月05日 00時44分)

 17年に及ぶ逃亡生活の間、菊地直子容疑者(40)は捜査の網をかいくぐりながら、潜伏先を次々と変えていた。東京都八王子市、千葉県市川市、名古屋市、京都市……。逃走先で浮かび上がるのは他の信者との結びつきの強さ。警視庁は教団からの支援の有無を詳しく調べる。

 犯人蔵匿容疑で逮捕された高橋寛人容疑者(41)と同居していた東京都町田市内のアパート。家賃7万5000円で、高橋容疑者が「神(じん)寛人」との偽名で契約していた。2人の知人という会社社長の女性は「洗濯物はいつも干しておらず、生活感のない家だった」と振り返る。

 川崎市幸区の3階建てマンションには約10年前、高橋克也容疑者(54)とみられる男が「サクライシンヤ」と名乗って入居。2DKで家賃は約10万円だった。マンション住人の男性(40)によると、数年後から女性が出入りするようになった。この女性は「新たに公開された菊地容疑者の写真にそっくり」と証言する。ここ数年は女性の姿が見えなくなり、男も昨年末にマンションを退去した。男は無断でドアのカギを取り換えたこともあった。

捜査関係者によると、菊地容疑者は95年3月、強制捜査が近づいたとして「林泰男死刑囚(54)らと逃げた」と供述。その後、八王子市内に井上嘉浩死刑囚(42)らと潜伏した。同6月には市川市内のアパートで再び林死刑囚と一緒にいたことが確認されている。

 その後、名古屋市や京都市などのアパートを転々としながら逃亡を続け、同年9月には岩手県の消印で「心配しないで」と書いた手紙を教団に送っていたという。

 埼玉県所沢市内のマンションに96年11月ごろまで潜伏し、その後、菊地容疑者は克也容疑者と行動を共にする。「新横浜や川崎のホテルを2人で転々とした後、川崎駅周辺で二つのアパートを借りた」。しかし、菊地容疑者はそのころ克也容疑者とも別れ、入れ替わるように寛人容疑者と交際をスタートさせる。

 06年からは町田市で同居を始め、介護関係の仕事をしながら、10年末に2人で相模原市内の民家へ転居した。地域社会に溶け込みながら特別手配者としての身分を隠す生活。この間、菊地容疑者は何度もプロポーズされたが「菊地直子だから結婚できない」と断り続けたという。今月3日夜、逃亡生活は突然終わりを迎えた。

警視庁は、菊地容疑者が複数の信者と接触しながら逃走を続けていたことから、最近も定期的に信者らと会っていた可能性もあるとみて調べている。

 一方、菊地容疑者は「寛人容疑者と愛し合うようになり、生活を変えたくなかった」と出頭しなかった理由を説明しているという。【浅野翔太郎、小林利光】