三木市から岡山県北部にかけて連なる「山崎断層」が大規模に動いた場合、兵庫県内の死者は約3920人に上るなど主要な内陸4地震の被害予測結果を、9日までに県がまとめたことが分かった。県外の上町断層では約5930人、中央構造線では約2400人に達する。県はこれらの地震の被害シナリオを作成中で、発生確率の低いものも含め計65地震の被害予測を近く公表する。(安藤文暁)
県は2010年5月、最新の研究成果を基に、県内を震源とする8地震と近隣府県の13地震、海溝型の3地震で揺れの予測を公表。地表から位置が確認できない断層も41あり、県は地盤データや建物の建築年数分布などを参考に、各地震の被害推計を進めている。
山崎断層は複数の断層からなる断層帯だが、三木市から岡山県美作市にかけての断層は同時に連動する可能性が高いといい、今後30年の発生確率は0・03~5%。マグニチュード(M)8・0の地震となり、県域の27・9%に当たる29市9町に震度5強以上の揺れをもたらすとした。
大阪府豊中市から岸和田市に至る上町断層ではM7・5を予測。30年確率は2~3%で、震度5強以上は阪神間を中心に県域の5・8%に当たる14市3町とした。
愛媛県から奈良県までを東西に貫く中央構造線は、うち紀淡海峡から鳴門海峡までを想定し、M7・7で、30年確率は0・005~1%。養父断層はM7・0、同確率0・45%で、県内の最大震度は6弱とされた。
県は海溝型の「東海・東南海・南海」地震についても被害予測を進めているが、東日本大震災前のモデルを使用。内閣府の有識者検討会が今年3月末に新しい震度分布と津波高を示したことを受け、今後見直す。
(2012/04/10 10:13)