山口県の化学工場でプラント爆発・炎上 1人死亡、17人重軽傷
山口・和木町の化学工場で22日未明、プラントが爆発して炎上し、作業員1人が死亡、11人が重軽傷を負った。また、この爆発で、周辺の住宅などの窓ガラスが割れるなどし、住民6人がけがをしている。
事故があった山口・和木町の三井化学岩国大竹工場の会社事務所は、爆発があったプラントからおよそ350メートル離れているが、爆発の衝撃で、ドアガラスが粉々になっている。
22日午前2時15分ごろ、タイヤの接着剤を作るプラントが爆発した。
会社側によると、事故の前に機械トラブルが起き、プラントの停止作業をしていたところ、突然、爆発・炎上したという。
この事故で、作業員の砂川翔太さん(22)が死亡、工場内の作業員11人が重軽傷を負ったほか、周辺の住民6人が、割れた窓ガラスを踏むなどし、けがをしたという。
火の勢いは収まりつつあるが、午前8時すぎには、同じプラントのタンクが爆発するなど、周辺住民は不安を募らせている。
近所の人は「2階で寝てたら、ドーンという大きな音がしてね。一瞬ね、何があったかわからなかった」と話した。
顔などに軽傷を負った母子は「ガラスが降ってきたので、息子を守らないといけないから、とっさに布団をかぶせて、ちょっと収まるまで様子を見て」と話した。
また、この工場には、放射性物質である「劣化ウラン」が入ったドラム缶をおよそ3,400本保管しているということだが、異常はなく、被害もなかったという。
三井化学の工場で爆発、1人死亡11人重軽傷
山口
業過致死傷容疑で捜索へ
2012/4/22 9:17 (2012/4/22 11:35更新)
山口県警岩国署によると、工場内にいた社員や隣接する工場の作業員ら計12人が巻き込まれ、三井化学社員砂川翔太さん(22)=和木町和木2丁目=が死亡、11人が重軽傷を負った。
爆発は数回確認されている。木材やタイヤなどの接着剤を作るプラントで不具合があり、停止作業中に爆発が起きたとみられる。現時点で有毒ガスなどの発生は確認されていない。
岩国署は業務上過失致死傷容疑で工場の家宅捜索令状を請求する方針で、22日にも関係者への事情聴取を始める。
岩国署によると、同社社員の山本忠晴さん(38)が爆発の際に薬品を浴びて、全身にやけどを負う重傷。
工場は山口県岩国市、和木町、広島県大竹市にまたがっており、3市町の計300軒以上で建物の窓ガラスが割れたり戸が壊れたりしたほか、ガラス片を踏むなどして6人がけがをした。
工場敷地内では、放射性物質を含む使用済みの触媒をドラム缶約3400本に入れて保管していたが、爆発火災後の測定でも数値に変化はなく、工場は「平常通りで、人体に影響はない」としている。
三井化学によると、砂川さんは宮崎県延岡市出身。延岡工業高を卒業後、2008年4月に入社した。
現場はJR和木駅の東側の国道2号沿い。〔共同〕