3月7日 18時35分
去年3月の巨大地震以降の日本の地震活動を専門家が分析した結果、震源域での余震が次第に減っている一方で、震源域からやや離れた東北や関東北部の内陸などでは、依然として地震活動が活発であることが分かりました。
京都大学防災研究所の遠田晋次准教授は、去年3月の巨大地震からおよそ10か月間で、国内の地震活動がどのように変わったかを分析しました。
その結果、巨大地震の震源域の海底ではマグニチュード5以上の比較的大きな余震が減り続けているほか、静岡県の伊豆半島付近などは巨大地震以前と同じ程度か、それ以下の水準に地震が減っています。
一方、秋田県内陸北部や南部、福島県浜通り、茨城県北部から茨城県沖にかけて、千葉県、長野県など、震源域からやや離れた内陸の一部では、依然として地震活動が活発で、地震回数が減るペースも非常に遅いということです。
遠田准教授によりますと、巨大地震やその後の地殻変動の影響で、本州の東側がのった陸側の岩盤には東へ引っ張られる力がかかるようになり、従来は比較的地震が少なかった地域で活動が活発化しているということです。
遠田准教授は「地震活動は、状況に大きな変化がなければ、数年から10数年以上活発な状態が続くおそれがあり、大きな地震の発生にも注意が必要だ。このほか巨大地震の震源域周辺の関東の東の沖合や、東側の日本海溝の外側などでも、津波や強い揺れを伴う大地震のおそれがあり、引き続き分析していきたい」と話しています。
有感余震は7200回超
去年3月の巨大地震のあと、震源域の周辺で起きた体に感じる余震の回数が、6日までに7200回を超えていたことが、気象庁の解析で分かりました。
気象庁は、去年3月の巨大地震の震源域や周辺の海底、それに福島県浜通りや茨城県北部などの陸地の一部を余震が起きる「余震域」としていて、震度1以上の揺れを観測した余震の数は、6日までに合わせて7219回となり、ほぼ1年間で7200回を超えました。
月別では、去年3月が2320回、翌4月が1450回で、おととし1年間に全国で起きた震度1以上の地震回数、1313回をそれぞれ大きく上回りました。
その後、余震の回数は次第に減少し、2月は182回と、初めて200回を下回りましたが、震度5弱以上の強い揺れを伴う地震も、時折起きています。
気象庁は「マグニチュード9という地震の規模の大きさから考えると、引き続き、強い揺れを伴う余震のおそれがあり、地震活動が以前の状態に戻るまでには、年の単位の時間がかかる可能性もある。余震域やその周辺では引き続き注意してほしい」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120307/k10013548341000.html
NHK NEWS WEB 震災特集
地震活動 内陸などで依然活発
http://www3.nhk.or.jp/news/shinsai/special/0307_02.html
以下ミミコピ
巨大地震以降の地震活動でも新たな分析結果がまとまりました。
京都大学防災研究所の遠田晋次准教授が巨大地震から10か月間の地震活動を分析した結果です。
青が巨大地震の前に比べ地震の発生が少なく、赤が多い場所です。白は巨大地震前と同じ程度です。
巨大地震の震源域の海底ではマグニチュード5以上の比較的大きな余震が減り続けています。
一方、依然として地震活動が活発な地域があります。秋田県内陸北部や南部、
福島県浜通り、茨城県北部から茨城県沖にかけて、
千葉県、それに長野県などです。これらの地域では地震回数が減るペースが非常に遅いということです。
こうした地域で地震が活発な原因も去年3月の巨大地震が影響していると考えられています。
遠田准教授によりますと、巨大地震やその後の地殻変動の影響で、本州の東側が乗った陸側の岩盤には、東へ引っ張られる力がかかるようになっているということです。
このため、岩盤にかかる力のバランスが変わり、地震活動が活発化したとみています。
京都大学防災研究所、遠田晋次准教授「巨大地震を契機に非常にハイペースで地震が起こるようになってしまって、数年以上、ひょっとしたら数十年以上、元の状態に戻るのにそれくらいかかるのではないかと、」
さらに遠田准教授は巨大地震の震源域の南側にあたる関東の東の沖合や、東側の日本海溝の外側などでも、津波や強い揺れをともなう大地震の恐れがあり、引き続き分析していきたいと話しています。