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2012/03/03

旧社会保険庁幹部OBがAIJと顧問契約 複数の企業年金にAIJを勧める

旧社保庁OBがAIJ紹介 年金基金に天下り23人
 企業年金運用会社のAIJ投資顧問(東京)が顧客の預かり資産約2千億円の大半を消失させた問題で、旧社会保険庁(現・日本年金機構)OBが複数の年金基金の幹部に、AIJに資金の運用を委託するよう勧めていたことが2日、このOBへの取材で分かった。

 AIJは、OBが運営するコンサルタント会社に資本金の半分を出資。社員を派遣し給与も支払っており、密接な関係にあった。同庁の幹部23人が、1999年8月~2010年9月までの約11年間で、全国の厚生年金基金の常務理事などに天下りしていたことも判明、同庁OBのネットワークでAIJによる被害が拡大した可能性が出てきた。

2012/03/03 06:15 【共同通信】





厚年基金に天下り23人=AIJへの委託基金も-旧社保庁
 旧社会保険庁(現日本年金機構)の幹部23人が、1999年から2010年までの約11年間で、全国の厚生年金基金(厚年基金)に天下りしていたことが3日、分かった。天下り先には、年金消失問題を引き起こしたAIJ投資顧問に運用を委託していた基金も含まれている。特定のOBがAIJへの紹介役になった可能性も浮上している。

 23人は厚生労働省の課長・企画官相当職以上で、99年8月16日から10年9月30日に退職した。中には元社会保険大学校長などが含まれている。

 天下り先には、厚労省作成の資料でAIJに年金運用を委託した厚年基金として明らかになった「北海道石油業」も含まれている。(2012/03/03-13:14)

 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012030300154



旧社保庁OB、AIJと契約=年数百万円の顧問料受領-基金担当者に商品紹介
 「AIJ投資顧問」(東京)の年金資産消失問題で、旧社会保険庁(現日本年金機構)OB(74)が経営するコンサルタント会社が、AIJと顧問契約を結び、年間数百万円を受け取っていたことが3日、分かった。OBは主催するセミナーで各地の年金基金担当者にAIJの商品を紹介しており、同社が旧社保庁人脈を使って年金資金の獲得を拡大させた構図が明らかになった。

 OBは時事通信の取材に「運用には関わっておらず、こんなことをしていたとは知らなかった。旧社保庁のネットワークを使おうとは思わなかった」と話した。

 このOBによると、旧社保庁や旧厚生省などを経て、退職後の2004年ごろにコンサルタント会社を設立、年間数百万円でAIJと契約を結んだ。AIJの浅川和彦社長とは、都内の年金基金に常務理事として在籍していた際に知り合った。

 OBは契約に基づき、AIJ社員に年金制度の解説や基金側への説明の仕方、資料作成などをアドバイス。AIJの私募投資信託を販売していたアイティーエム証券側にも同様の指導をしていた。顧問契約は数年前に解消したという。(2012/03/03-18:20)

 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012030300269




AIJ 旧社保庁OBの人脈利用か
3月3日 4時3分
AIJ投資顧問が預かった企業年金の資金のほとんどがなくなっていた問題で、旧社会保険庁のOBが、複数の企業年金に対し、AIJ投資顧問と契約するよう勧めていたことが分かりました。

このOBは、AIJ投資顧問から年間600万円の報酬を得ていたということで、証券取引等監視委員会は、契約の拡大に旧社会保険庁OBの人脈が利用されたとみて調べています。

東京の投資運用会社、AIJ投資顧問は、顧客の企業などから預かったおよそ2000億円の年金資金の、ほとんどがなくなっていることが分かり、業務停止の処分を受けました。

AIJ投資顧問と契約していた企業年金は、去年3月の時点で全国で84に上っていますが、このうち一部は、旧社会保険庁のOBの勧めを受けて契約していたことが、関係者やOB本人への取材で分かりました。

このOBは、退職後の平成16年、AIJ投資顧問側から出資を受け、役員2人を迎え入れて、年金の運用をアドバイスする会社を設立し、年金コンサルタントとして活動していたということです。

AIJ投資顧問からは年間600万円の報酬を得ていたということで、証券取引等監視委員会は、AIJ投資顧問が、旧社会保険庁OBの人脈を利用して契約の拡大につなげていたとみて、詳しいいきさつを調べています。

OBは「AIJ投資顧問だけでなく、ほかの投資運用会社も紹介していた。コンサルタントとしてよかれと思ってしたことだが、今回の件は残念だ」などと話しています。

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120303/k10013451181000.html






AIJ 最近の運用の記録が残されず
3月2日 4時18分
AIJ投資顧問が運用していた企業年金の資金のほとんどがなくなっていた問題で、資金は、海外のファンドから香港の投資銀行に移されていましたが、最近の運用の記録が残されていないことが、関係者への取材で分かりました。
証券取引等監視委員会は、外国の金融当局に協力を要請するなどして実態の解明を急いでいます。

東京・中央区にある投資運用会社、AIJ投資顧問は、顧客の企業などから預かったおよそ2000億円の年金資金のほとんどがなくなっていることが分かり、業務停止の処分を受けました。

関係者によりますと、AIJ投資顧問は、資金のほとんどをカリブ海のケイマン諸島にあるファンドに送ったうえで、バミューダ諸島にある信託銀行を通じて香港の投資銀行に移し、運用を行っていたということです。

去年3月末に財務局に提出されたAIJ投資顧問の事業報告書によりますと、資金の多くは、株の先物取引など「デリバティブ」と呼ばれる金融派生商品に投資したとされています。
しかし、証券取引等監視委員会のこれまでの検査では、最近の運用を示す記録は見つからず、残されていないことが関係者への取材で分かりました。

AIJ投資顧問の浅川和彦社長は、監視委員会の聞き取りに対し、「運用に失敗して500億円の損失を出した年もあった」などと説明しているということです。

監視委員会は、香港など外国の金融当局に協力を要請するなどして、巨額の損失を出した運用の実態解明を急ぐことにしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120302/k10013422611000.html