東京電力は3日、原子炉圧力容器底部の温度計が先月故障した福島第一原子力発電所2号機で、別の温度計が異常値を示したため、新たに監視対象から外したと発表した。
東電は事故前、31個の温度計で2号機の圧力容器を監視していたが、使用可能なものはこれで15個に減った。経済産業省原子力安全・保安院は温度監視の代替手段の検討を求めており、東電は早ければ7月下旬にも新たな温度計を設置する。
(2012年3月3日19時39分 読売新聞)
福島2号機温度計また異常値 第1原発、監視対象外に
東京電力は3日、福島第1原発2号機の原子炉圧力容器底部で、温度計の一つの値が異常に上昇し、正しい値を示していない可能性があるとして監視対象から外したと発表した。
東電によると、原子炉内の湿度が高く故障したのではないかといい、参考値として監視を続ける。
2号機では、2月に圧力容器の別の温度計の値が上昇、燃料を冷却できなくなったのではないかと懸念されたが、東電は故障と判断。その後も故障などが相次いで判明し、現在使用できるのは15個。
2012/03/03 22:05 【共同通信】
福島第一原発2号機温度計、新たに上昇傾向
2012年3月3日 13:49
先月、温度計の異常があった福島第一原発2号機で、新たに1台の温度計が上昇傾向を示し、「東京電力」は信頼性が薄いとして、監視対象から外したと発表した。
福島第一原発2号機は先月、原子炉圧力容器の底の温度を測る6つの温度計のうち、1つが異常な数値を示し、故障と断定、残る5つの温度計で監視を続けていた。
しかし、1日から2日にかけて、このうちの1つが上昇傾向を示し、2日午後11時に58.5℃と、他の温度計より13~18℃高い値を示したため、信頼性が薄いとして監視の対象から除外した。
2号機温度計 代替は7月以降
3月2日 14時36分
福島第一原子力発電所2号機で、原子炉の温度計が故障した問題で、東京電力は原子炉につながる配管から新たな温度計を入れて、原子炉の温度を測定する計画を国に提出しました。
しかし、作業現場の放射線量が高いなど課題が多く、測定開始は最短で7月下旬になるとしています。
福島第一原発2号機では、1月下旬から原子炉の底にある温度計の1つが上昇傾向を示し、東京電力は温度計の回路が劣化し故障したと判断したうえで、別の方法で測定する計画をまとめ、1日夜、国の原子力安全・保安院に提出しました。
それによりますと、原子炉の底の付近にある炉内につながる配管から新たな温度計を入れて、原子炉の温度を測定するとしています。
しかし、測定までには、作業現場の放射線量が高いため線量を下げる対策が必要なほか、作業空間が狭く、新しい道具や技術を開発しなければならない可能性があるなど、課題が多く残されています。
東京電力は、測定開始は、すべての条件が整ったとしても最短で7月下旬になるとしています。
国や東京電力は、福島第一原発は「冷温停止状態」と説明していますが、原子炉は温度のほかにも溶け落ちた核燃料の位置など把握できていません。
東京電力の松本純一本部長代理は「線量を下げることや準備工事などすべてが非常に困難だと思っている。原子炉から出る水温などから内部の温度を解析する間接的な方法も検討する」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120302/t10013432081000.html