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2012/03/29

幹部の交代相次ぐ重慶市、大衆を動員して行う革命歌「紅歌」を熱唱するキャンペーンなど中止するよう指示

重慶「薄王国」文革を想起 党、大衆動員を禁止

2012年3月29日 朝刊

【北京=安藤淳】重慶市トップだった薄熙来(はくきらい)共産党委員会書記(62)の解任で、「薄王国」化した重慶の人事ばかりか政治活動、市民生活にも余波が広がっている。一方で、薄氏の解任について党中央から公式な説明はなく臆測が噴出。秋の党大会前に社会の安定が絶対条件の党指導部は、難しい対応が迫られている。

重慶市党委の何事忠宣伝部長は二十六日、「集中的な舞台演出を減少させ、(政治)運動式のやり方を断固として回避しなければならない」と述べ、独裁的手法で薄氏が展開してきた毛沢東時代の革命歌「紅歌」を熱唱するキャンペーンなど、大衆を動員して行う運動の中止を指示した。

背景には、党内の政治闘争を発端に法治主義を無視し、多くの国民に被害が及んだ文化大革命(一九六六~七六)の悲劇を繰り返さないとの党中央の強い意志の影響があるとみられる。重慶衛星テレビも毎日放送していた「紅歌」番組を週一回に減らし、ドラマとコマーシャルを再開した。

一方、党中央は二十七日、陳存根・重慶市党委常務委員を解任、後任に寧夏回族自治区の徐松南組織部長を充てる人事を承認した。薄氏に近い陳氏は人事を握る市党組織部長も兼任しており、薄氏一派は人事権を奪われた形だ。

このほか、重慶市内の区トップや副区長らも汚職などの容疑で当局に調査を受け、暴力団摘発を推進した市検察院幹部三十八人も一斉に異動した。







中国:重慶市幹部の交代相次ぐ

 毎日新聞 2012年03月27日 21時30分(最終更新 03月27日 21時45分)

【北京・工藤哲】中国共産党の次期最高指導部入りを目指していた薄熙来(はく・きらい)政治局委員(62)が重慶市党委書記を解任された問題が波紋を広げている。党中央は27日に市幹部の交代を発表。一部の幹部は当局の調査を受けており、薄氏に近かった幹部の調査が水面下で進んでいる模様だ。市内のメディアにも変化が表れるなど、薄氏解任の余波が続いている。 

地元紙「重慶日報」は27日、党中央が陳存根・市党委常務委員を解任し、新たに徐松南・寧夏回族自治区組織部長を充てるとする新人事を伝えた。市では夏沢良・南岸区委書記が当局の調査を受けているとも伝えられた。薄氏の後任として張徳江副首相が市党委書記を兼任して以来、幹部の調査が明らかになったのは夏氏が初めて。

  また何事忠・市党委宣伝部長は26日、薄氏が提唱してきた紅歌(革命歌)を歌うキャンペーンや一連の運動をやめるよう指示。地元放送局「重慶衛視」も毎日放送していた紅歌を歌う番組「天天紅歌会」の放送日を減らし、週1日の45分とされた。