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2012/03/29

元管理人側に広告収入 2ちゃんねる覚醒剤書き込み放置 当時の運営関与か

2012.3.29 08:07






インターネット総合掲示板「2ちゃんねる」で覚醒剤の購入をあおる書き込みが放置されていた事件で、2ちゃんねるの開設者で元管理人の西村博之氏(35)が役員を務める会社が最近まで同サイトの広告収入の一部を受け取っていたことが28日、関係者への取材で分かった。同社は2ちゃんねるの検索システムの運用に携わっており、収益の受け皿にもなっていたことから書き込みが放置されていた時期も西村氏が運営に関与していた可能性が浮上した。

警視庁などの削除要請にもかかわらず、犯罪を助長する書き込みが誰の意思で放置されたのかが、事件解明の焦点になっている。

警視庁は昨年5月、2ちゃんねるに覚醒剤販売の書き込みがあったのに放置し覚醒剤売買を手助けしたとして、麻薬特例法違反の幇助(ほうじょ)容疑で関係先約10カ所を家宅捜索。実質的な運営者の特定を進めている。

2ちゃんねるの広告収入の一部が渡っていたのは、東京都渋谷区のコンピューターシステム開発会社「未来検索ブラジル」。西村氏は平成15年4月の設立当初から役員を務めている。2ちゃんねる関連サイトによると、広告掲載料は大きさや表示位置などによって異なるが、1カ月で150万円以上になることもある。

関係者によると、こうした2ちゃんねるに掲載されているアダルトサイトや出会い系サイトなどの広告収入の一部が、業者から同社など複数の企業に支払われていた。2ちゃんねるの運営に関わったことがある関係者は「運営は主に広告収入で賄われている。収益に関与するということは運営に関与することとイコールだ」と証言している。

産経新聞は西村氏に対し、未来検索ブラジルと2ちゃんねるとの関係などに関する質問状を郵送したが、返答はなかった。



「削除人」最終権限者は


広告収入など2ちゃんねるの収益から、違法・有害な書き込みを消す「削除人」の幹部に報酬が支払われ、末端の削除人に書き込みの削除の是非が指示される-。2ちゃんねる関係者はこう明かす。では、削除の最終権限者は誰なのか。その解明が捜査の焦点となっており、警視庁は家宅捜索で押収した資料の分析を進めている。

2ちゃんねる関係者によると、削除人は百数十人いる。大半は無報酬だが、このうち少なくとも削除人の幹部十数人は報酬を得ている。

2ちゃんねるの広告収入に関与していた会社の役員を務めている西村博之氏は幹部削除人へ指示する権限を持つのか。西村氏は平成15年に出版された『2ちゃんねる宣言』の中で「まとめ役の人に任せちゃっている」と発言している。

その一方で、著書『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』では「僕は2009(平成21)年、2ちゃんねるをシンガポールのパケットモンスター社に譲渡しました」としながらも、「最近の僕はといえば、2ちゃんねるを譲渡して管理人を外れ、その企業から何か相談をされたときにアドバイスをする『2ちゃんねるアドバイザー』」とも記しており、一定の関係があることをほのめかしている。

警視庁は、覚醒剤の購入をあおる「場」となった2ちゃんねるの不可解な実態の解明とともに、収益の流れが書き込みの放置と関係していないか調べを進めている