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2012/02/03

IMF篠原尚之副専務理事、消費税率10%引き上げは「不十分」

消費増税を歓迎=欧州危機を教訓に-IMF副専務理事
 国際通貨基金(IMF)の篠原尚之副専務理事は3日、都内で記者会見し、野田政権が社会保障と税の一体改革で消費税率10%への引き上げに取り組んでいることについて、「IMFとして歓迎する」と評価した。

 副専務理事は「日本の財政赤字、債務状況は先進国で最悪で、イタリアの倍くらい。欧州で起きている信用危機は日本にとってもいい教訓になる」と指摘。財政状況が市場で不安視され、日本国債が暴落する事態を防ぐためにも、「財政の健全性確保へ道筋を示しておくことが重要だ」と強調した。

 また、消費税は最終的に15%まで増税される必要があるとの見方も示した。(2012/02/03-15:35)
  http://www.jiji.com/jc/zc?k=201202/2012020300659



IMF幹部“消費税率15%も”
2月4日 0時49分

IMF=国際通貨基金の篠原尚之副専務理事は、3日、都内で記者会見を行い、先進国でも財政赤字が最悪である日本が、国際的な市場の信用を維持するには、将来的には消費税率を15%まで引き上げることが考えられると述べました。

IMFは、先月24日、各国の財政状況に関する報告書を公表し、日本については、2015年10月に消費税率を10%まで引き上げるとしていることに対し「不十分だ」と批判しています。これに関連して、財務省で財務官を務めたIMFの篠原副専務理事は、「今の日本の財政赤字は先進国で最も悪く、イタリアの倍の数字であり、ヨーロッパの信用危機は、日本にとってよい教訓になる」と指摘し、日本が国際的な市場の信用を維持するには、財政再建が欠かせないという認識を示しました。そのうえで、消費税率の引き上げについて、篠原副専務理事は、「一つの選択肢として消費税率を最終的には15%まで上げていくという姿が考えられる」と述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120204/t10015774641000.html





欧州債務危機:資金基盤強化が必要--篠原尚之・IMF副専務理事
 ◇欧州、IMFで38兆円ずつ
 国際通貨基金(IMF)の篠原尚之副専務理事(元財務省財務官)が毎日新聞のインタビューに応じ、欧州債務危機の拡大に備えてIMFが検討する資金基盤強化について「欧州以外の国にも重要だ」と述べ、日米などの協力を求めた。【聞き手・坂井隆之】

 --欧州債務危機の現状をどうみますか。

 ◆欧州中央銀行(ECB)の資金供給強化で若干安心感があるが抜本的な改革ではない。各国の日々の国債借り換えやギリシャの債務削減交渉など、一つ一つで神経質な市場の動きは続くだろう。

 --危機沈静化には何が必要ですか。

 ◆市場を落ち着かせるには、(信用不安という)火事を延焼させないための能力が当局側に十分あることを示すことが必要だ。世界全体の財政危機リスクを考慮すれば資金支援枠は2兆ドル(約153兆円)必要で、手当てできていない1兆ドルを、欧州とIMFで5000億ドル(約38兆円)ずつ備える方向で議論している。

 --米国は新たな資金拠出に消極的です。

 ◆米国は欧州が資金基盤強化(努力)をしていないと言っており、その点を並行して進めることが重要だ。ただし、これは単なる欧州救済の議論ではない。欧州で(債務不履行などの)事件が起きれば世界全体の成長率が2%落ちるとの試算もある。(危機拡大に備えた)防火壁を作ることは欧州以外の国にとっても非常に重要だ。

 --日本では消費税増税論議が難航しています。

 ◆日本は消費税率が低く、財政改善の余地が大きいことが国債市場の安定性につながっている。(その信頼を)壊さないことが大事だ。IMFは今後10年での消費税率15%への引き上げと歳出削減を提案しているが、時間は無くなってきており早期に財政再建の道筋を作ることが必要だ。

毎日新聞 2012年2月5日 東京朝刊




日本は財政赤字GDP比10%抑制を、消費税15%に-IMF篠原氏(1)
 2月3日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)の篠原尚之副専務理事は3日、都内記者会見し、先進国で最悪の赤字を抱える日本の財政健全化に向けて、今後10年間で赤字を対GDP比で10%程度抑制する必要があると述べた。その上で、消費税率を最終的に15%まで引き上げるべきだとの考えを示した。

 篠原氏は「日本国債の価格は安定しているが、欧米の国債との連動がみられ、注視していかなければならない。日本にとって大事なのは財政の中期的な持続可能性を確保するためのしっかりとした道筋をつくることだ」と指摘した。

 その上で、「日本は中期的に今後10年間で財政赤字をGDP比で10%くらい落とせば、2010年代には債務残高の対GDP比が落ち始めるという姿が描ける」と表明。「消費税率を最終的に15%に上げていくことで、半分を税で、残り半分を歳出の増加抑制で賄うべきだ」との考えを示した。

  また、欧州の信用不安拡大を阻止することを目的としたIMFの資本基盤の強化については「信用不安を回避するために必要な資金ニーズは2兆ドルに上る」とのIMFの見通しを説明。新たに必要な1兆ドルのうち5000億ドル程度を確保するために、すでに各国と協議に入っていることを明らかにした。

更新日時: 2012/02/03 15:32 JST