【ニューデリー時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)などは29日、アフガニスタンの反政府勢力タリバンが、事務所開設を予定する中東カタールで米国との協議を再開したと報じた。協議は予備的な段階で、「信頼醸成のための具体策を話し合う」場になるという。
同紙がアフガン政府の対タリバン交渉担当者の話として伝えたところによれば、最大8人のタリバン代表団が既にパキスタンからカタール入りした。AFP通信によると、タリバンの最高指導者オマル師の側近とされるアガ氏やタリバン政権時代の駐サウジアラビア大使らが含まれている。(2012/01/30-00:31)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201201/2012013000006
タリバンと米国、和平交渉に向けてカタールで協議
2012年01月30日 09:28 発信地:カブール/アフガニスタン
【1月30日 AFP】アフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)が、10年におよぶ米国との戦争を終結する和平交渉に向けた米国側との協議を、カタールで始めたことが明らかになった。
元タリバン幹部のマウラビ・カラムジン(Mawlavi Qalamuddin)氏が29日、AFPに語ったところによると、タリバンと米国側は交渉の前段階としての信頼醸成を図っており、このプロセスにはしばらく時間がかかるという。
カラムジン氏は、タリバンの最高指導者オマル師(Mullah Omar)師の側近、モハマド・タイイブ・アガ(Mohammad Tayeb Agha)氏や、タリバン政権時代に駐サウジアラビア大使を務めたシャハブジン・デラワル(Shahabuddin Delawar)氏らがすでにカタールに入ったと述べた。
カラムジン氏は、タリバン政権時代のアフガニスタンで厳しい取締りで恐れられていた宗教警察のトップを務めていた人物。現在はハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領に任命されて「高等和平評議会(High Peace Council)」のメンバーとなっている。
タリバンは今月に入り、米国との和平交渉に向けた一歩として、カタールに事務所を設置する計画だと発表していた。(c)AFP/Sardar Ahmad
タリバンと協議再開へ アフガン
2012年1月31日 朝刊
【バンコク=寺岡秀樹】英BBC放送は二十九日、アフガニスタンのカルザイ政権が数週間以内に、反政府武装勢力タリバンと和平交渉再開に向けて協議する方針だと報じた。同政権はタリバンとの交渉を昨年秋から中断してきたが、タリバンと米国がカタールで和平交渉に向けた直接協議を始めており、アフガン和平の主導権を握られまいとする姿勢の表れとみられる。
アフガン政府高官は「(タリバンが米国と交渉を始めたが)サウジアラビアやトルコなどで、和平交渉に向けた取り組みを進めたい」と発言し、タリバンとの交渉を独自に進めていく姿勢を示した。カルザイ大統領は米国が相談なしにタリバンと交渉を始めたことに憤りをあらわにしていた。
AFP通信によると、タリバン幹部も協議合意を認め、「アフガン、パキスタン両政府からサウジでの接触を求められている」と明かした上で、「両政府は(和平交渉で)両脇に追いやられているから主導権を欲しているのだ」と分析した。
ただ、タリバン側はカルザイ政権とは和平交渉を行わないとする情報もあり、協議が実現するかは不透明だ。
アフガン政府は二十九日、パキスタンのカル外相が二月一日、アフガンの首都カブールを訪問すると発表。タリバンに影響力を持つパキスタンは昨年十二月のアフガン復興会議をボイコットしたため、和平交渉に進展が望めない状況だった。アフガン外務省の報道官は「両国間の協調関係が新局面に入った」と歓迎した。
アフガン政府は、昨年九月の「高等和平評議会」議長のラバニ元大統領暗殺が、タリバンによる犯行との見方を強め、タリバンとの交渉を中断していた。
アフガン政府とタリバーン、サウジで協議を予定か
2012.01.31 Tue posted at: 11:17 JST
カブール(CNN) アフガニスタン政府が近く、反政府武装勢力タリバーンの代表者らとサウジアラビアで和平交渉に向けた協議を開催するとの見通しが明らかになった。アフガン当局高官が匿名で語った。
同高官によれば、協議の計画は初期段階で、時期や参加者、米政府の立場などの詳細ははっきりしていない。
アフガン政府とタリバーンの和平交渉をめぐっては、米政府の数カ月に及ぶ説得努力の結果、タリバーン側が先月、カタールで交渉再開に向けた事務所を開設することに同意した。アフガン政府も先週、これを支持すると表明したものの、カルザイ大統領は米主導で話が進んだことに不満を漏らしていたとも伝えられる。
同高官はサウジでの計画について「カタールでの協議に反対する動きではない」と強調した。しかし一部の米専門家は「カルザイ大統領がカタールでの進展に抵抗し、妨害しようとする意思の表れ」との見方を示している。
アフガン政権 タリバンと協議へ
30.01.2012, 19:14
英国のBBCは、欧米の外交筋およびアフガニスタン政府筋の話として、数週間以内にカルザイ政権がタリバンと和平交渉にむけた協議を始める方針だと報じた。
タリバンが協議を望んでいるかは不明。以前にもタリバンは、カルザイ政権を合法とは認めていないという理由から協議を拒否した。タリバン指導部は、米国およびカルザイ大統領以外の政権メンバーとの話し合いを要求していた。
これまで米国とカタール政府は、アフガニスタン政府抜きでタリバンと和平交渉を行おうとしていたが、これに対しカルザイ大統領は不快感を示していた。大統領は昨年12月にも、カタール政府が自分の背後でタリバンと直接交渉を行おうとしていたとして、その見返りに駐カタールアフガン大使を召還した。
しかしこの週末、カタールにおいて米国代表とタリバンの間で協議が始まったと、米国の報道機関が伝えたことにより、それに後押しされる形でカルザイ政権がタリバンとの協議を始めた可能性も否定できない。BBCが伝えたところによると、タリバン側はこれらの報道についてのコメントを避けているが、アフガニスタン政府高官は今後予定されている会談についての情報を確認している
2012年 1月 31日(火曜日) 17:38
アメリカとタリバンの協議が失敗
カタールで行われたアメリカとタリバンの協議が失敗に終わりました。
IRIB国際放送ラジオ・パシュトゥー語が、確かな情報筋の話として伝えたところによりますと、アメリカの代表者と協議を行うため、カタールを訪問していたタリバンの政治指導者数名は、31日火曜朝、何の成果も得ることなく、パキスタンのカラチへ帰りました。
この協議は、タリバンの要請により行われました。
これ以前、タリバンは、アメリカとの協議開催の条件として、グアンタナモ刑務所のすべての収監者の釈放を発表しましたが、アメリカは、停戦を条件として挙げていました。
アメリカは、10年間に及ぶアフガニスタンでの軍事駐留にもかかわらず、アフガニスタンの治安を確保することができておらず、このため、アフガニスタンとパキスタンのタリバンとの協議を余儀なくされています。
最終更新 ( 2012年 1月 31日(火曜日) 18:40 )