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2012/01/25

脱法ハーブ 吸引で一時意識不明となるなどの健康被害は昨年だけで若者を中心に30人に上るという

「脱法ハーブ」経営者逮捕 禁止薬物混ぜ客に
 幻覚作用をもたらす禁止薬物を混ぜた植物片を客に渡すなどしたとして、大阪府警は24日、ハーブ販売店経営・山内雅広容疑者(26)(大阪府富田林市)を薬事法違反(業としての授与など)容疑などで逮捕した、と発表した。府警は同店と系列の2店から、大麻などに似た使用感があるが、同法の規制外の「脱法ハーブ」を複数種類押収しており、販売実態の解明を進める。

 府警によると、問題の禁止薬物は昨年5月に同法の規制対象となったが、禁止薬物の成分をわずかに変えて規制外となる「イタチごっこ」が社会問題化。こうした脱法ハーブを扱う販売店が府内に56店あることが判明し、吸引で一時意識不明になるなどの健康被害は昨年だけで若者を中心に30人に上っているという。

 発表では、山内容疑者は昨年10月、大阪市天王寺区の「スパイスハート大阪本店」で、男性客(20)に禁止薬物を含んだ植物片2グラムを渡すなどした疑い。

 山内容疑者は「禁止薬物を売ったり渡したりしたことはない」と否認。一方で店で扱っていたハーブについては「茨城県の製造元から仕入れ、1日に約20万~25万円の売り上げがあった」と供述している。

 一方、府警が系列の「スパイスハート岸和田店」を捜索した際、大麻が見つかり、山内容疑者の弟で店長の辻岡雅基容疑者(23)を大麻取締法違反(営利目的所持)容疑で逮捕した。

(2012年1月25日 読売新聞)




「覚醒剤」誤認逮捕の男性、所持粉末は脱法ドラッグ
 福岡県警が北九州市小倉北区の会社員男性(20歳代)を覚醒剤取締法違反(所持)容疑で誤認逮捕した問題で、男性が持っていた白い粉末は幻覚作用などを引き起こす恐れのある「脱法ドラッグ」だったことが捜査関係者への取材で分かった。脱法ドラッグは麻薬や覚醒剤に似た危険性があるが、規制対象の薬物と化学構造が異なり、法の網から漏れている。脱法ドラッグを覚醒剤と誤認して逮捕したケースは異例で、薬物捜査にも影響を与えそうだ。

 この問題は17日午前2時15分頃に起きた。小倉北区の国道199号の中央線付近に乗用車が停車していると届け出があり、小倉北署員が駆けつけると車内で男性が眠っていた。署員が車内から白い粉末約0・6グラム入りの袋やライター、ストローなどを発見。簡易鑑定の結果、陽性反応を示す青紫色に近い色を示した。

 男性は「遊び疲れて寝ていた。覚醒剤ではない」と否認。しかし簡易鑑定の結果や、国道の真ん中で停車して寝るなどの不審な行動を踏まえ現行犯逮捕した。

(2012年1月25日 読売新聞)