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2011/12/19

50日以上出演が途絶えていた北のベテランアナウンサーが訃報を伝える

黒い民族衣装でニュース伝える リ氏、2カ月ぶり
2011年12月19日
【ソウル=篠ケ瀬祐司】北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記の死去を伝えた朝鮮中央テレビの「特別放送」は、19日正午前から、北朝鮮の名勝地・金剛山の景色を背景に荘厳な音楽が流れ、重苦しい雰囲気の中で始まった。

 死去は重要ニュースを担当するリ・チュンヒ氏(68)が伝えた。黒いチマ・チョゴリ(民族衣装)で登場し、時折涙声になりながら、沈痛な面持ちで金正日氏の死去のニュースを読み上げた。

 同氏の業績などに続き、ニュース後半では「党や軍には金正恩(キムジョンウン)氏がいる」と、同氏を中心とした後継態勢の確立を訴えた。

 放送は約15分間だった。

 リ氏は10月19日以降、50日以上テレビ画面に登場していなかった。






姿消した“北の女子アナ”死去伝える!喪服に身を包み
2011.12.19
 朝鮮中央放送で、金総書記の訃報を伝えたのは、あのベテラン女性アナウンサー、リ・チュンヒ氏(68)だった。

 リ氏は民族衣装の喪服に身を包み、いつも以上に厳粛かつ感情的な抑揚をつけながら、「すべての同胞の大きな傘だった。思いがけない死は、革命に大きな損失だ」など総書記を称える最大級の形容詞を重ねながら、ニュースを読み上げた。

 ときに体を震わせ、嗚咽(おえつ)まじりで悲しみを全身で表現。スタジオの背景には、北朝鮮が“金総書記の出生地”と主張する白頭山とみられる雄大な山岳が掲げられていた。

 リ氏は、これまで金総書記の動静など重要報道を担当。「人民放送員」や「労働英雄」の称号を持つ看板アナウンサーとして知られている。

 10月19日夜の定時ニュースで、ロシアのタス通信の書面インタビューに対する金総書記の回答を読み上げたのを最後に50日以上出演が途絶えていた。このため“失踪”や“粛清”“闘病”など諸説が飛び交っていた。

 金総書記の活動はこれ以降もニュースとして報じられていたが、リ氏と交代で担当してきた男性アナウンサーらが読み上げていた。






(2011年12月13日06時03分 スポーツ報知)
「金総書記の“口”」アナウンサーの李氏、50日以上出演せず
 北朝鮮の国営朝鮮中央テレビで、金正日総書記の動静を中心とした最重要報道を担当する女性アナウンサー、リ・チュンヒ氏(68)が、10月19日の放送を最後に50日以上、同テレビに出演していないことが、12日までに分かった。日本の通信社のラヂオプレス(RP)が伝えた。「金総書記の“口”」とまで評される看板アナウンサーが、これほど長期にわたり姿を見せないのは、異例の事態だという。

 重要な報道では、民族衣装チマチョゴリを着て、ニュースを読み上げていたリ氏。力強く、時に威圧的にもとれる独特の口調は、日本でもおなじみだった。そんな北朝鮮の看板女性アナが長期間、表舞台に姿を見せていないことが分かった。

 RPによると、直近でリ氏がニュースを読み上げたのは10月19日。夜の定時番組で、ロシア・タス通信の書面インタビューに対する金総書記の回答を読み上げた。この出演を最後に、テレビ画面から消えたという。総書記の活動は、以降も報じられているが、男性アナウンサーらが読んでいる。

 コリア・レポートの辺真一編集長は〈1〉高齢で勇退〈2〉ミスで更迭〈3〉家族の不祥事の連帯責任、と3つの可能性を指摘した。だが、〈1〉は「定年を過ぎても一線で働く人は軍などに大勢いる」〈2〉は「最後のニュースを見る限り完ぺきだった。ミスがあれば韓国で報道される」〈3〉は「総書記の信頼が厚いので、たとえ家族に不祥事があっても大目に見るはず」と、それぞれ理由を挙げ、否定した。

 金日成主席時代から40年も、現在の立場にあるリ氏は北朝鮮の高級称号「人民放送員」や「労働英雄」を贈られた超VIP。辺氏は「同国では、総書記の次に有名。総書記の言葉は彼女を通し伝わるから、総書記の“口”といえます。総書記が健在なら“口”を罷免することはない」という。

 RPが把握する過去のケースでは、2008年3月に約1か月間、リ氏が出演しなかったが、この時は総書記の活動報道自体がなかった。今回のような長期間の不在は異例。

 辺氏は結論として「彼女は病気、しかも重病ではないか」と分析する。毎年、元日午前零時にテレビで総書記の動静等を伝えるのが、恒例だったが、辺氏は「来年1月1日に、彼女が出るかどうか。それで今後のことも分かるのではないか」とみている。

 ◆リ・チュンヒ 漢字表記は李春姫。北朝鮮などの報道によると、1943年、同国・江原道出身、68歳。平壌劇場映画大俳優科を卒業。女優を目指していたが、声の良さを買われ、1971年にアナウンサーに。金日成主席、金正日総書記と父子2代にわたり、動静を伝える役割を担い、重用されてきた。夫と息子2人、孫もいる。高級マンションや自家用車を与えられるなど厚遇されている。