国際通貨基金(IMF)は24日までに発表したリポートで、日本の公的債務残高は「持続不能な水準」に膨らんでおり、「日本や世界経済安定のリスク」になっていると警鐘を鳴らした。
IMFは「財政の持続性をめぐる市場の警戒心から、日本国債の利回りが突然跳ね上がる恐れがある」と警告。また、「財政改革の遅れや民間貯蓄額の減少」が引き金となり、日本国債が売られる可能性を指摘した。
対処法として「成長を促進する構造改革と財政健全化が不可欠だ」と主張。財政健全化の具体案では、消費税増税など歳入増加策と年金改革といった歳出抑制策の組み合わせが必要だとした。
日本の公的債務残高は2011年度末に1000兆円を突破する見通し。IMFの11年予想によると、日本の債務残高の国内総生産(GDP)比率は233.1%に達し、欧州債務危機に揺れるギリシャ(165.6%)やイタリア(121.1%)を大きく上回る。(2011/11/24-19:21)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011112400911
IMF:日本国債利回り、突然の急上昇あり得る-悪循環に直面も(1)
11月24日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)は23日にウェブサイトで公表した報告書で、日本の国債利回りが「突然急上昇」するリスクがあり、債務水準が維持不可能になる可能性があると指摘した。
IMFは「より速いペースの成長による相殺効果がなければ、債務の動向は危険なほど悪化することがあり得る」とし、「維持可能性への信頼がいったん損なわれれば、当局は利回り上昇と市場の信頼低下という悪循環に直面する恐れがある」と説明。「金融システムの一段の脆弱(ぜいじゃく)化」についても警告した。
さらに、日本国債の利回り急上昇は世界の資本市場からの急激な流動性引き揚げにつながり、外国為替相場の「破壊的な調整」を引き起こす可能性があるとも指摘した。IMFは財政の維持可能性への懸念が日本の国債利回りを急上昇させるリスクがあるとみている。
更新日時: 2011/11/24 16:27 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=ak124q.AM_Ro