文部科学省は11日、岩手、富山、山梨、長野、岐阜、静岡の6県で、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性セシウムの土壌での分布を測定、マップを公表した。すでに測定した地域も合わせて東日本のほぼ全域のマップも作成、原発事故による放射性物質の拡散状況のほぼ全容が明らかになった。
文科省によると、原発から出た放射性物質は主に三つのルートで拡散。一つは原発からいったん北西方向に流れた後、福島県北部の山地で南西方向に向きを変え、群馬、長野両県境の山地周辺まで到達していた。
2011/11/11 17:59 【共同通信】
セシウム汚染地図、岩手・長野など6県追加 文科省
2011/11/11 19:31
文部科学省は11日、岩手、長野など6県の放射性セシウムの汚染地図を公表した。岩手県一関市と奥州市、長野県佐久市などの一部でセシウム濃度が1平方メートル当たり6万~10万ベクレルと周辺より高い場所があった。過去に公表した東北や関東地方の汚染地図も改訂。岩石に含まれる天然の放射性物質の影響を取り除いた。
今回公表したのは岩手、静岡、長野、山梨、岐阜、富山の各県の汚染地図。放射線検出器を載せたヘリコプターで9~10月にセシウム沈着量と放射線量を測った。これまでの分と合わせ1都17県で地図作製を終えた。
長野、山梨両県から西ではセシウム濃度が1平方メートル当たり1万ベクレル以下の地域が大半。文科省は「福島第1原子力発電所から放出された放射性物質は群馬と長野や新潟などとの県境にある山脈で遮られ、より西には到達しなかったと考えられる」としている。
汚染地図の改訂では、主に山間部で岩石に含まれる天然のウランやカリウムなどの影響を取り除いた。この結果、新潟県や福島県西部などでセシウム沈着量が従来の地図より減った。地図は文科省のウェブサイト(http://radioactivity.mext.go.jp/)で見られる。(電子版にも掲載)
東日本大震災:セシウム汚染マップ、蓄積量誤って計算 新潟、山形を修正
文部科学省は11日公表した放射性セシウムの汚染マップで、新潟、山形県の蓄積量を修正。除染を必要とするレベルの地域はなくなった。先月までに公表されていた両県のマップでは、天然の花こう岩などが出す放射線を誤って計算していた。
国は、放射線量が毎時0・23マイクロシーベルト以上(年間1ミリシーベルト相当)の地域を、国が責任を持つ除染対象とする。文科省のマップでこれに該当するのは、おおむね3万ベクレル以上の地域。一方、健康への影響は放射線量に左右され、土壌蓄積量は目安に適さないという。渡辺格(いたる)・原子力安全監は「舞い上がる土などを吸い込む被ばくは、空間放射線からの被ばくの2%程度で、それほど大きくない」と話す。【野田武】
毎日新聞 2011年11月12日 東京朝刊http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111112ddm012040021000c.html
文部科学省(米国エネルギー省との共同を含む)による航空機モニタリング結果
文部科学省による、岩手県、静岡県、長野県、山梨県、岐阜県、及び富山県の航空機モニタリングの測定結果、並びに天然核種の影響をより考慮した、これまでの航空機モニタリング結果の改訂について(平成23年11月11日)
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1910/2011/11/1910_111112.pdf
ファイル名:1910_111112.pdf