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2011/11/11

茨城県、6市町で原木シイタケに出荷停止指示。 9月には3市で野生のイノシシから放射性セシウムを検出

茨城・阿見の原木シイタケ 出荷停止指示
2011年11月11日
 県林政課は10日、茨城町の露地栽培とハウス栽培、阿見町の露地栽培の原木シイタケについて、国の原子力災害対策本部から出荷停止の指示が出されたと発表した。7~8日の検査で、茨城町のハウスものから1キロあたり1130ベクレル、阿見町の露地ものからは610ベクレルの放射性セシウムが検出され、国の基準の500ベクレルを超えていた。

 これにより、原木シイタケの出荷停止指示の対象は、露地ものが土浦市▽行方市▽鉾田市▽小美玉市▽茨城町▽阿見町の6市町、ハウスものが土浦市▽鉾田市▽茨城町の3市町となった。県は今後、この6市町での検査を継続する。

 県の農産物では原木シイタケのほか、さしま茶の産地を除く県内39市町村の茶に対する出荷停止指示が継続している。




高放射線量、公表せず 「局所的」と土浦市
2011年11月04日
 土浦市大岩田の市霞ケ浦総合公園で、国の基準の毎時1マイクロシーベルトを超す放射線量が測定されたことがわかり、市は10月末に1ヘクタールに及ぶ除染をした。実は他にも基準超の値は何カ所も出ていながら、市は「局所的」として一切公表してこなかった。これらは、市がホームページに毎週掲載している定点測定の対象外のため、公式には市内での基準超過はこれまで一度もないことになっている。

 市によると、基準超の値が出たのは、公園内の霞ケ浦文化体育館(水郷体育館)前の中央広場。地表1センチの測定で15カ所のうち7カ所で基準を超えた。最高値は雨水マス付近の毎時3・93マイクロシーベルトだった。

 水郷体育館は各種競技大会が催され、子どもも大勢集まる。今回の震災では福島県からの避難所にもなり、一時465人を受け入れた。市は先月27日、広場のタイル畳上にたまった土砂を除去した上で、その土砂約3トンをシートで覆って公園の隅に埋めた。





イノシシから放射性物質で狩猟者減
2011年11月05日
 狩猟解禁日を15日に迎えるが、今年はイノシシ猟が減りそうだ。県内の野生イノシシから基準超の放射性物質が検出され、猟師が捕獲を敬遠。頭数が減らないため、農作物被害への懸念が高まっている。

 県環境政策課によると、今シーズンの狩猟者登録は昨年シーズンより約700人減り、4183人(10月25日現在)にとどまる。

 県は9月、生息地の16市町で捕獲したイノシシを検査。うち3市で国の基準(1キロあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された。県猟友会新治分会(土浦市)の杉田一徳分会長(66)らが駆除でとった1頭からも890ベクレルが検出。県は、野生の捕獲イノシシを食べることを控えるよう呼びかけている。登録の減少は、これを受けてのようだ。

杉田さんは、狩猟仲間から「肉を食べる楽しみがないならもう今年は猟はやめる、という声を聞く」と話す。

 結果、懸念されるのが農作物被害だ。県農林水産部によると、すでに水戸市などで被害が増えているという。土浦市のクリ農家の男性も「クリの半分は食べられている。これ以上、被害が増えるとつらい」。

 杉田さんらは先月から有害捕獲を始めたものの、駆除が追いつかないのが現状だ。猟友会新治分会は以前は90人以上の会員がいたが、今は20人程度。有害捕獲のメンバーを集めるのも難しくなってきた。

 イノシシによる農作物の被害は2009年で6742万円。県は適正数を保つため、年に3千頭を目安に捕獲を指導している。狩猟と有害捕獲を合わせて09年に2949頭、10年に2905頭が捕獲された。狩猟での捕獲分が減ると、被害が増えることが予想される。

 柿やクリに被害が出ている土浦市の農林水産課には、「これ以上被害が増えると生産を続けられなくなる」との農家からの声も寄せられているという。県は「駆除に向けた対策を、市町村と協議していく」としている。