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2011/11/18

のれん代償却は規制対象の自己資本比率には影響しないが、過去の買収で経営陣が過大な金額を投じていたことを浮き彫りにする

欧州の銀行、過去の買収のれん代21兆円-償却しなければ前に進めず
更新日時: 2011/11/18 17:15 JST
11月18日(ブルームバーグ):欧州の銀行は金融危機前に行った買収ののれん代2700億ドル(約21兆円)の一部を償却しなければ、資産売却や新株発行などの資本強化策へと前進できない見込みだ。

 イタリア最大の銀行、ウニクレディトは今週、国内と東欧での買収に関して87億ユーロ(約9000億円)を償却した。アナリストらは他の欧州銀も同様の措置が必要だとみている。ブルームバーグがまとめたデータによれば、フランスのクレディ・アグリコルとスペインのサンタンデール銀行、イタリアのインテーザ・サンパオロ銀行が、必要な償却額が最も大きい。

 会計事務所デロイトのパートナー、アンドルー・スプーナー氏(ロンドン在勤)は「見通しが明るかった時代に割高な買収をした銀行は、バランスシート上の調整が必要だ」とした上で、「欧州周辺国につながる買収が最も償却の必要性が大きい」と話した。

 ブルームバーグのデータによれば、欧州の銀行の株価は平均で1株当たり純資産額の0.58倍になっている。のれん代償却は規制対象の自己資本比率には影響しないが、過去の買収で経営陣が過大な金額を投じていたことを浮き彫りにする。

 シティグループの銀行担当アナリスト、キナー・ラクハニ氏(ロンドン在勤)は「帳簿上の大損失は決して格好の良いものではないが、多くの場合、これは戦略転換、現在の環境では資産処分の要となる」と話している。