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2011/11/07

義捐金横領の疑いで「ライオンズクラブ国際協会」の元議長を逮捕=大阪

義援金横領の疑いで逮捕 大阪
11月7日 13時39分
社会奉仕団体「ライオンズクラブ国際協会」の関西地区の元議長の男が、東日本大震災の被災地への義援金1000万円を自分の名義の銀行の口座に移し替えたとして、業務上横領の疑いで逮捕されました。


逮捕されたのは、大阪・東淀川区の「ライオンズクラブ国際協会」の関西地区の元議長、辻吉治容疑者(67歳)です。

警察の調べによりますと、辻元議長は議長を務めていたことし3月、東日本大震災の義援金として、アメリカに本部があるライオンズクラブから関西地区に送金された1000万円を、自分の名義の銀行の口座に移し替えたとして、業務上横領の疑いが持たれています。

調べに対して辻元議長は「おおむね間違いない。借金があって会社の資金繰りが苦しく、自分の遊ぶ金も欲しかった」と供述しているということです。

これまでの調べによりますと、日本に送られた義援金は6億円で、当初、被災地のライオンズクラブに送られましたが、被災地では、生活物資が不足していたことから支援物資の購入のために関西地区に一部の1000万円が送金されたということです。

辻元議長は、義援金を移し替えたあと、自分が経営するスーパーなどで下着や粉ミルクなどを購入し、被災地へ送ったということで、警察は、金の流れについて捜査しています。




ライオンズ近畿前議長逮捕 震災義援金横領容疑
 東日本大震災の義援金横領事件で、大阪府警淀川署は7日、社会奉仕団体・ライオンズクラブ(LC)の近畿地区の協議会の前議長・辻吉治容疑者(67)を業務上横領容疑で逮捕した、と発表した。辻容疑者の個人口座に移された約1000万円のうち、約200万円が辻容疑者経営のスーパーに救援物資の代金として支払われたといい、同署は、代金の一部が水増しされた疑いがあるとみて調べる。

 辻容疑者は6日午後、同署に出頭。調べに対し、「着服目的で、金を口座に移し替えた。借金があり、資金繰りが苦しかった。遊興費もほしかった」と容疑を認めているという。

 発表では、辻容疑者は近畿地区の協議会議長だった今年3月31日、救援物資の購入費用として、被災地のLC協議会から近畿地区の協議会の口座に振り込まれた1130万円のうち、あらかじめ購入していた物資の代金約40万円を差し引いた約1090万円を、自分名義の口座に移した疑い。

 このうちしょうゆやビスケットなど食品の代金として、辻容疑者が経営する大阪市東淀川区のスーパーに、約200万円が支払われ、別の6業者に生活用品の代金として支出されたとする領収書などがあるという。

 救援物資は4月4、5日、同市此花区の倉庫からトラックで被災地に送られた。

 これまでの調べでは、物資の購入代金総額は1000万円に達しておらず、同署は、辻容疑者が領収書などを偽造し、購入代金を水増ししたとみている。

 辻容疑者は、大阪市東淀川区で、スーパー経営や不動産賃貸会社の社長を務めている。1978年に地元LCに入会。97年頃から、近畿地区の役職も務め、熱心に活動に励んでいた。昨年7月から1年間の任期で議長を務め、親しい知人は「国内でも有数の『ミスターライオンズクラブ』ともいえる存在。辻容疑者に権力が集まり過ぎて、近畿では意見を具申できる人もいなかった」と話す。

 一方、最近はスーパーの経営がふるわなかったという。知人は「金に困っているといううわさが広がっていた。ここまで築き上げてきたものを失うようなことをして、意味がわからない」と話した。

(2011年11月7日 読売新聞)





義援金横領 購入130万円、領収書280万円…LC前議長、水増し依頼
 東日本大震災の義援金横領事件で、社会奉仕団体・ライオンズクラブ(LC)の近畿地区の協議会前議長・辻吉治容疑者(67)(大阪市東淀川区)が、衣類販売業者に依頼し、実際には約130万円で購入した救援物資の領収書に、約280万円と記載させていたことがわかった。辻容疑者が他の業者に白紙の領収書を求めていたことも判明。大阪府警淀川署は、購入代金水増しによる辻容疑者の私的流用額は約400万円に上るとみている。

 同署は7日、近畿地区の協議会事務局(大阪市北区)を捜索した。

 衣類販売業者によると、辻容疑者の求めで、3月31日に下着やタオルなどを約130万円で納品し、翌4月1日、代金を受け取った。しかし、2日になって辻容疑者から「経営するスーパーの在庫になっている毛布なども含めて納品したことにしてほしい」と頼まれ、指示通りに、物資の数量や単価を上乗せするなどして、新たに約280万円の領収書を作成したという。

 業者は「震災直後の混乱期で融通を利かせたつもりだったが、不正に利用されているとは」と悔やんだ。

 また、辻容疑者は、台所用品や食品を購入した別の複数の販売業者に白紙の領収書を要求。一部の業者は手渡しており、同署は辻容疑者が水増しした金額を記載していたとみている。

 辻容疑者は逮捕前、「日本ライオンズ連絡事務所」(東京)の元理事に「迷惑をかけた。460万円を返還する」と電話をしてきたという。現在の近畿地区の協議会議長(69)は「情けない限り。支援活動に疑問を持たれかねない行為で申し訳ない」と話した。一方、辻容疑者と、経営会社「ミスタースマイル」(大阪市東淀川区)は、破産申し立ての準備を進めているという。

(2011年11月8日 読売新聞)





義援金横領 LC前議長、架空領収書作成させる…250万円分
 東日本大震災の義援金横領事件で、業務上横領容疑で大阪府警に逮捕された社会奉仕団体・ライオンズクラブ(LC)の近畿地区の協議会前議長・辻吉治容疑者(67)が、救援物資を納品していない大阪市内のテント製造販売業者に依頼し、約250万円の架空領収書を作成させていたことがわかった。

 業者はLCのメンバーで、3月末、協議会が被災地に発送する救援物資の仕分け作業に参加し、辻容疑者と初めて知り合ったという。

 業者によると、4月25日、辻容疑者から「ある業者から納品されたシャンプーなどの代金246万円の領収書と伝票の一部がなくなった。再発行してくれないので、代わりに作ってくれないか」と頼まれ、翌日作成したという。業者は「困っていたので助けたつもりだったが、不正に手を貸すことになり残念だ」と話している。

(2011年11月9日 読売新聞)