【ロンドン時事】内部告発サイト「ウィキリークス」創設者ジュリアン・アサンジ容疑者(40)=保釈中=は24日、ロンドンで記者会見し、資金不足により米外交機密公電などの公開を一時停止すると発表した。ウィキリークスは運営資金を世界中からの寄付に頼ってきたが、米当局の圧力を受けクレジットカードなどを通じた寄付の大半が事実上、封鎖されている。
アサンジ容疑者は席上、カード会社や銀行の動きについて「(反ウィキリークスの)政治的な動機に基づいたものだ」と批判し、世界各地で法的な対抗手段を取っていると強調。封鎖状態が今年中に解消されない場合には「活動を継続することができない」と訴えた。深刻な窮状を訴え、新たな支援者の登場を待つ戦略とみられる。
同容疑者は一時停止の措置に関して「将来の生き残り」を懸けた決断だとし、米政府の圧力に屈したわけではないと主張した。活動資金について「攻撃で収入の95%を失った」と説明した。
封鎖に手を貸した金融機関としては、クレジットカード大手のビザ、マスターカードのほか、米金融大手バンク・オブ・アメリカ、ネット決済大手ペイパル、国際送金最大手ウエスタン・ユニオンの名前を挙げ、強く非難した。(2011/10/25-00:09)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201110/2011102400838
ウィキリークス、資金不足で活動休止 収入の95%失う
2011.10.25 Tue posted at: 10:11 JST
ロンドン(CNN) 米国の外交公電暴露などで物議を醸した告発サイト「ウィキリークス」は24日、情報公開活動を一時的に停止すると発表した。活動を続けるための資金集めに力を入れると説明している。
創設者のジュリアン・アサンジュ氏によると、ウィキリークスは、バンク・オブ・アメリカなどの大手金融機関やビザ、マスターカード、ペイパルなどの決済サービスが使えなくなり、収入の95%が断たれたという。このため「わずかな資源をすべてこの不当な金融封鎖と戦うために注がなければならなくなった」と説明。アサンジュ氏は「これに対抗しないまま放置すれば、危険かつ抑圧的で非民主的な前例が確立され、影響はウィキリークスとその活動のみにとどまらなくなる」と訴えた。
ウィキリークスは昨年、米外交公電を相次いで暴露したことから金融機関との取引を停止され、賛同者からの寄付が受けられなくなっている。これに対してウィキリークスは同日、金融機関による取引停止は反トラスト法違反に当たるとして、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会に申し立てを行ったことを明らかにした。また、欧州各国や米国、オーストラリアでも訴えを起こす構えを示した。
アサンジュ氏によれば、サイトで公開を予定している情報はまだ10万件以上あり、今後1年間の活動資金として約350万ドルが必要だという。情報公開活動の停止中も、告発情報の収集は続ける意向だとしている。
米政府は、ウィキリークスによる機密情報の公開は違法であり、個人と国家の安全を脅かすものだと批判していた。
ウィキリークス、年末までに閉鎖の可能性―資金不足で
2011年 10月 25日 11:05 JST
【ロンドン】内部告発サイト「ウィキリークス」は24日、同サイト向け寄付金の受け付け禁止を金融機関が続ければ年末までにサイトを閉鎖することになる、と発表した。
米政府など公的機関の漏洩されたデリケートな機密情報を公表して論議を呼ぶ同サイトは、現在既に情報公開活動の一時休止に追い込まれている。昨年12月から寄付金の取引を停止したクレジットカード大手のビザやマスターカード、インターネット競売大手イーベイの電子決済サービス部門ペイパルやバンク・オブ・アメリカなどの金融機関に措置の撤回を求めた闘争に手元資金を向けるためだ。
米国がテロリストと判断する容疑使者を収容するキューバ・グアンタナモ米軍基地に関する今年4月の情報の大規模な暴露を最後に、ウィキリークスのその後の目立った情報公開はない。
サイト創設者のジュリアン・アサンジ氏は24日、「この資金封鎖はウィキリークスの存亡にかかわるものだ。年内に封鎖が解除されなければサイトは立ち行かなくなる」と話した。さらにこれら金融機関は米政府の圧力に屈し、サイト支持者の情報公開の大義に対する支援を妨害するものだと述べた。
ウィキリークスが昨年11月に米国務省の機密公電を大量に公開して間もなく、ペイパルやビザ、マスターカードなどはサイトへの寄付金受け付けを停止、この措置を継続している。
ウィキリークスは今年7月、欧州委員会にこれら金融機関に対する不服を申し立てた。同サイトのクリスティン・フラフンソン広報担当は同日、欧州委員会が11月半ばまでにこの件について調査を開始するかどうかを決定すると予想していることを明らかにした。また、他のさまざまな国で法的措置に訴えることを検討しているとも述べた。
欧州委員会は、不服申し立ての事実は認めたものの、正式調査を開始するかについていつ決定するかについてはコメントしなかった。
サイト支持者からの主に25ドル単位の寄付金に頼るウィキリークスの資金繰りは、ずっと自転車操業が続いている。ウィキリークス関係者によると同サイトの収入は、この受け付け停止により95%減少したとしている。同サイトの寄付受け付けの窓口となっている基金の今年の収入は約7万ユーロ(約740万円)で昨年の140万ユーロに比べ激減している。
アサンジ氏はここ数カ月と同様のレベルで情報公開活動を続けるのには、これからの1年間で350万ドル(約2億6600万円)が必要になるとの見通しを示した。
記者: Paul Sonne
http://jp.wsj.com/World/node_330879