小沢一郎元代表は初公判を終えた6日夕、衆院第2議員会館で記者会見し、「私も秘書も、有罪と認定されることは何もしていない」と改めて潔白を訴えた。検察や裁判所への批判を繰り返し、顔を紅潮させて記者に質問を仕返すなど、対決姿勢を鮮明にした。
小沢氏は午後5時半すぎ、会場に姿を現した。法廷と同じ紺色スーツに紫色のネクタイ姿。弁護士の辻恵衆院議員ら国会議員数人も立ち会った。
冒頭、立ったままマイクを握り、初公判で意見陳述した文面を再び全て読み上げた。背筋を伸ばし、淡々とした口調だったが、読み進めるうちに声が大きくなる。
「国家権力を乱用」「なぜ私のケースだけが、単純な虚偽記載の疑いで強制捜査を受けなければならないのか」。検察批判のくだりでは怒気が混じり、顔は紅潮。手にした紙が小刻みに揺れた。
10分ほどで読み終えると着席し、記者の質問を受けた。「全く不当な捜査」「裁判も早くやめるべきだ」。検察や検察審査会の強制起訴議決を改めて批判し、秘書3人を有罪とした東京地裁の判決にも「前代未聞で司法の自殺に等しい」と矛先を向けた。眉間にしわを寄せたり、口をへの字に結んだり。指先で紙をめくるしぐさを何度も繰り返し、落ち着かない様子だった。
国会での証人喚問に応じるかを問われると、「君はどう考えているの」と記者に質問。口をとがらせ、「三権分立をどう考えているの。もっと勉強して」とまくし立てた。
時折笑みを浮かべたが、表情は終始硬いまま。1月の強制起訴後の会見で見せた余裕はうかがえなかった。虚偽記載について具体的に質問したテレビキャスターを「(記者クラブ)加盟社じゃなく、フリーに」とさえぎる場面もあり、結局答えないまま20分余りで会見を打ち切った。(2011/10/06-20:13)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011100600821
小沢一郎元民主党代表の記者会見要旨
民主党の小沢一郎元代表が6日開いた記者会見の要旨は次の通り。
【初公判の感想】今回の捜査、検察審査会による強制起訴は不当で、裁判も、いっときも早くやめるべきだ。
【議員辞職、離党】私も私の(元)秘書も有罪と認定されることは何もしていない。何も違法なことをしていないので、そのようなことを考えるつもりは全くない。
【国会での説明責任】裁判所は証拠に基づいて判断する場で、いろいろな力や干渉によって結果が左右されてはいけないから、司法は司法で独立している。
【4億円の原資】私のお金だ。詳しく聞きたければ検察に聞いてほしい。強制捜査を1年以上もやって、私の知らないことまで全部調べているから。
【世論の動向】(自らの議員辞職などを求める)テレビ、新聞の世論調査が全くデタラメだとは言わないが、全国民から満遍なく意見を代表しているとも思えない。もしその通りであるならば、私自身が選挙に受かることもなかった。一方的なものとは思っていない。頑張ってくれという大勢の方もあり、私自身、何ら一点もやましいことはないので、今後も頑張っていきたい。
(2011年10月6日20時23分 読売新聞)
小沢被告が会見、核心部分への言及は避ける
2011年10月7日 3:31
自らの資金管理団体の土地購入をめぐり、収支報告書にウソの記載をしたとして強制起訴された民主党元代表・小沢一郎被告は6日夕方、自らの初公判終了後、衆議院第2議員会館で会見を開き、あらためて検察批判を展開した。しかし、事件の核心部分への言及は避けた。
小沢被告は会見の冒頭、「この捜査は、まさに検察という国家権力機関が、政治家・小沢一郎個人を標的に行ったものとしか考えようがありません」などと、法廷で述べた意見陳述をあらためて読み上げた。
しかし、質疑応答では、記者に「逆質問」をするなど、かみ合わないやり取りが続いた。
記者「司法の場とは別に、国会でも説明責任を果たす考えは?」
小沢被告「君はどう考えているの?司法の公判が進んでいる時、他の立法権やその他のことを、色々と議論するべきだと思っているの?あなたは」
記者「司法手続きは司法手続きで重要だと思いますが、国会での説明というのも、一方では重要なことかと」
小沢被告「あ、そうなの?じゃあ、三権分立を君はどう考えているの?だから、ちゃんとよく勉強して、筋道立てた質問をして下さい」
記者「4億円の原資はなんだったのでしょうか」
小沢被告「原資は私のお金です。詳しく聞きたければ、検察に聞いて下さい。私の知らないことまで全部調べておりますから、(検察に)お聞き下さい」
小沢被告は、裁判の核心に触れる質問には最後まで答えることなく、会見を一方的に終了した。