中東の衛星テレビ局、アルジャジーラは20日、ワダフ・ハンファル社長が辞任したことをウェブサイト上で明らかにした。AP通信などによると、内部告発サイト「ウィキリークス」が最近になって、ハンファル氏と米国が緊密な関係にあり、米国の意向に沿って報道を抑制したとの内容の米公電を伝えていた。
8月末に明らかになった米公電によると、同氏はイラクの駐留米軍の作戦に関する報道で、負傷した子どもらの被害を伝える場面を一部削除したという。同局は「ハンファル氏は7月から辞任を望んでいた」などと説明しており、後任にはカタールの王族が就任した。
アルジャジーラは1996年、カタール政府などが出資して設立。世界中に60以上の支局を抱え、視聴者は2億2千万世帯に上る。「アラブの春」と呼ばれる民主化運動では精力的に報道、エジプトなどで高い人気を誇る一方、ペルシャ湾岸諸国のデモ報道は抑制しているとして「偏向」批判も出ている。(共同)
[2011年9月21日9時17分]