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2011/09/09

電力使用制限令を9日午後8時に全面解除

電力制限令:9日で全面解除 9月末まで自主節電呼びかけ
2011年9月9日 22時0分 更新:9月9日 22時6分

 夏場の電力不足に備え、東京電力と東北電力管内の企業など大口需要者向けに政府が発動していた電力使用制限令は9日午後8時に全面解除された。東電管内では当初、制限令の解除を22日としていたが、暑さが峠を越し、電力需給に余裕が生じたため、前倒しで解除した。ただ、経済産業省は「残暑が戻る可能性もある」として、制限令の対象外の家庭とともに9月末まで自主的な節電を呼びかけている。



 制限令は7月1日に発動され、ピーク時使用量について昨夏比15%削減を義務付けた。企業や家庭の節電努力で計画停電は回避されたが、企業が生産調整を強いられるなど負担もかかった。鉢呂吉雄経産相は9日午後の会見で「若干供給力が不足した可能性があるので、(制限令は)やむを得ない措置だった」と説明した。東電は「節電へのご理解に心から感謝申し上げたい」との西沢俊夫社長のコメントを発表した。

 全国で定期検査中の原発が再稼働しない場合、今冬以降も電力需給が逼迫(ひっぱく)するのは確実。鉢呂経産相は今冬について「使用制限令は極力回避しながら節電努力はお願いする」と述べた。【和田憲二】


◇鉄道は通常ダイヤに
 電力使用制限令の解除に伴い、JR東日本や東京メトロ、首都圏の私鉄各社は通常ダイヤに戻す。

 JR東日本はこれまで正午から午後3時までの運行本数を減らしてきたが、週明けの12日から従来の本数に戻す。土日はこれまでも通常運行していた。東京メトロは10日から通常の運行に戻すほか、週末だけ通常ダイヤだった西武鉄道も12日から平日でも通常運行を始める。小田急電鉄や京王電鉄も12日以降、一部取りやめていた列車の運行を再開する。

 ただ、各社とも駅構内や車内の照明の一部取り外しなど節電対策は継続する。JR東日本の担当者は「今後も厳しい電力需給が予想され、電力削減の取り組みは続ける」と話している。【川上晃弘】







東電など 電力使用制限が終了9月9日 21時28分
この夏、東京電力と東北電力の管内で法律に基づいて実施されていた電力の使用制限が、9日午後8時で終了しました。夏の電力不足は何とか乗り切った形ですが、暖房需要が高まる冬場には電力需給が再びひっ迫する懸念もあり、政府は冬の節電対策を急ぐことにしています。

東日本大震災による電力不足に対応するため、政府は東京電力と東北電力の管内で、7月から大口の利用者に対して15%の節電を求める、電力の使用制限を実施してきました。

自動車業界では、平日に工場を休みにして土日に稼働させるなど、多くの企業が対応を迫られたほか、家庭などにも15%程度の節電への協力が求められました。

暑い日に東北電力の管内で電力の使用率が97%に達し、厳しい需給状況になったこともありましたが、どちらの電力会社の管内でも計画停電を行う事態には至らず、経済産業省では、企業や家庭の節電の取り組みが効果をあげたためだとみています。

電力使用制限は9日午後8時で終了しました。夏の電力不足は何とか乗り切った形ですが、定期検査中の各地の原子力発電所が再稼働するのかどうか見通せないことから、この冬も電力需給が厳しくなるという懸念も出ています。

これについて、鉢呂経済産業大臣は「この夏の実績や今後の見通しを、来月をめどに総括し、電力の使用制限を極力回避しながら、しっかりと対応を検討していきたい」と述べ、冬場の節電対策の検討を急ぐ考えを示しました。