9月30日 4時22分
日本を含む世界の81の国や地域の警察当局などが、違法な医薬品の販売や広告の一斉取り締まりを行い、今月中に合わせて55人を逮捕し、未承認の医薬品などおよそ7900点を押収したことが分かりました。
この一斉摘発は、途上国などで違法な医薬品がインターネットを通じて販売され、深刻な問題となっていることを受けて、ICPO=国際刑事警察機構などが行ったもので、日本を含む世界の81の国と地域が参加しました。
ICPOによりますと、各国の警察や税関などは今月中に販売などに関わった55人を逮捕したほか、未承認や偽物の医薬品、合わせておよそ7900点を押収したということです。
このうち日本では、警視庁など3つの警察本部が21人を検挙し、ダイエット用の薬など12種類の未承認の医薬品を押収しました。
また、警察庁は、違法な広告が掲載された国内の44のサイトについて削除を要請したほか、中国など海外の128のサイトについて、各国の捜査当局に情報提供しました。違法な医薬品の販売は、覚せい剤などに比べて摘発されても罰則が軽い一方で、利益が上げられることから、暴力団の資金源になっているケースもあり、警察庁でも摘発を強化することにしています。
日本語サイトで未承認薬広告=中国で運営か、削除要請-国内でも一斉摘発・警察庁
海外で運営される日本語のインターネットサイトで、厚生労働省が承認していない勃起不全(ED)治療薬などが広告・販売されたとして、警察庁は29日、国際刑事警察機構(ICPO)を通じ、中国など5カ国・地域の警察当局にサイトの削除を要請したと発表した。
未承認医薬品は、死亡を含む健康被害が確認されているほか、犯罪組織の収益源になっている疑いがあるとして、同庁は警戒を強めている。
同庁によると、削除要請したのは128サイト。運営するサーバーは中国や米国、香港など5カ国・地域に設置されていたが、大半のサイトは連絡先が中国本土だった。
未承認医薬品は個人で輸入・使用する場合は薬事法の対象外だが、販売目的の輸入は取り締まりの対象。5カ国・地域では、いずれの法律でも広告・販売が禁止されており、サイト運営者の摘発も求めた。
削除要請は、ICPOなどが20日から27日まで実施したネット上の模造・違法医薬品の一斉取り締まりの一環。81カ国・地域の警察など165機関が参加し、日本警察の参加は初めて。
警視庁、大阪府警、千葉県警は期間中、国内の未承認医薬品販売サイトなどを一斉摘発。ED治療薬や痩せ薬を広告・販売したとして、薬事法違反容疑で14人を逮捕したほか、プロバイダー(接続業者)に対し、違法広告を掲載したサイトの削除を要請した。(2011/09/29-21:16)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201109/2011092900932