(9月27日 19:40更新)
福島市は、市内全域の放射線量を大幅に減らすため、11万世帯すべてを対象に除染を進めるとした計画をまとめ、27日に発表しました。
これは、福島市の災害対策会議で27日に発表されたものです。
それによりますと福島市は、今後2年間で市内全域の大気中の放射線量を1時間当たり1マイクロシーベルト以下に減らすため、重点的に除染を進めるとしています。
このうち、放射線量が比較的高く高校生以下の子どもがいる住宅などについては、市が業者に委託して屋根や側溝など住宅全体の除染を行うとしています。
さらに、それ以外の住宅についても住民に協力してもらい、11万世帯すべての除染を進めるとしています。
放射線量が比較的低いとされる場所の住宅の屋根や側溝の除染は、当初、原則として市から委託を受けた業者が行うとされていましたが、国の財政的な支援がどの程度見込めるかがはっきりしないため、「委託業者による除染」は計画には盛り込まれず、「住民に協力してもらう」となっています。
また、公園や公民館など公共施設の除染は市が行う一方、住宅の除染などで人手が足りなかった場合は、全国から募集するボランティアを派遣するとしています。
福島市によりますと、2年間で重点的に除染したうえで、さらに3年をかけて市内全体の除染を完了させたいとしています。
福島市では、一部の地域で避難が求められる国の目安に近い放射線量が計測され、住民からは早急な対策を求める声が上がっていました。
しかし今回の計画では、市の7割を占める山林や田畑の除染は、国の指針が示されていないため、具体的にどうするかが盛り込まれなかったほか、除染で出た放射性物質を含む土などの処理方法も決まっておらず、福島市は今後、住民への理解を求めたいとしています。