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2011/08/26

金正日総書記、中国黒竜江省で戴秉国・国務委員(外交担当)と会談

金正日総書記:6カ国協議再開、中国にも意向表明
 【北京・米村耕一】ロシア訪問の帰途に中国入りした北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記は26日、黒竜江省で中国の戴秉国・国務委員(外交担当)と会談した。中国中央テレビによると、前提条件なしで6カ国協議を再開したいとの意向を改めて表明した。総書記がロシアに続いて中国側にも直接、同様の意向を伝えたのは、9月以降に予想される米韓との協議を前に中露との関係を固めておく狙いがあるようだ。

 金総書記は会談で「我々は隣国なので頻繁に往来するのが当然だ」と両国の関係の深さを強調。「朝鮮半島非核化の目標は堅持している」とも語った。戴国務委員は胡錦濤国家主席からのあいさつを伝えた。

 北朝鮮は今後、6カ国協議再開に向け、ウラン濃縮計画などについて米国との厳しい交渉に入る。金総書記は02年にも、米国に対し核兵器開発を明らかにする前にロシアを訪問しており、北京の外交関係者は「当時の構図と同じだ」と指摘した。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は26日付の論説で、今回の訪露をめぐり「両国はアジア太平洋地域の安全保障、国際問題の公正な解決に共同で努力している」と主張した。

 金総書記は26日朝、チチハルに到着し、工作機械工場などを視察。夕刻に150キロほど離れた大慶のホテルに入った

毎日新聞 2011年8月26日 20時33分(最終更新 8月26日 22時08分)





2011年8月25日21時9分
金正日総書記、帰路に中国入り 要人と接触の可能性
 ロシアのメドベージェフ大統領との首脳会談を終えてウランウデから帰国の途についた北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記を乗せた特別列車が25日、中国内モンゴル自治区満洲里から中国領内に入った。中国要人と接触する可能性も指摘されている。

 金総書記の訪中は5月下旬以来、約3カ月ぶり。昨年5月以降4回目で、異例の頻度で訪中を繰り返している。今回の金総書記の訪ロは、中国への過度の依存を打開する狙いがあるとされるが、異例のルートをとることで、中国へも配慮をみせた模様だ。

 一方、北朝鮮との関係強化に踏み込んできている中国にとっても、ロシアに続く形で金総書記を迎える意味は大きい。中朝が合意している指導者間の意思疎通の緊密化を体現し、6者協議の議長国として中国が朝鮮半島情勢に影響力を発揮していると内外に示す形にもなる。北京の外交筋は、金総書記が中国要人と会談するとの見方を示す。

 北朝鮮指導者によるロシア、中国の連続訪問は1961年7月の故金日成(キム・イルソン)主席以来で50年ぶり。金主席はこの時、当時のソ連でフルシチョフ首相、中国で周恩来首相らと会談。一方が攻撃を受けた場合の軍事援助を義務づけた友好協力相互援助条約を両国と相次いで締結し、北朝鮮の安全保障を強化した。今回も「強盛大国の大門を開く」とする来年に向け、中ロとの関係強化を強調する狙いとみられる。(長春〈吉林省〉=西村大輔、ハルビン〈黒竜江省〉=峯村健司)





北朝鮮:金総書記を共産党の要人が出迎え--中国・内モンゴル
【北京・米村耕一】朝鮮中央通信は26日、ロシア訪問を終えた金正日(キムジョンイル)総書記が25日夕に中国・内モンゴル自治区満州里に到着した際、中国共産党の王家瑞対外連絡部長や内モンゴル自治区トップの胡春華・党書記らの出迎えを受けたと伝えた。金総書記は歓迎の宴会に出席し、その日のうちに列車で出発した。地元消息筋などによると、金総書記は26日朝、黒竜江省チチハルに到着し、機械工場などを見学した模様だ。

毎日新聞 2011年8月26日 東京夕刊