6月1日 18時35分
民主党の鳩山前総理大臣は、自民党などが提出した菅内閣に対する不信任決議案に賛成する意向を周辺に伝えました。
民主党の鳩山前総理大臣は、これまで東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所の事故への政府の対応は不十分だとして、菅総理大臣を批判してきました。
そして、鳩山氏は先月31日夜、菅総理大臣と会談し、小沢元代表を含めた挙党態勢の構築が必要で、党が分裂する事態を避けるためにも、菅総理大臣自身の進退も含めた決断を求めたのに対し、菅総理大臣は「震災などの対応に取り組むのが私の役割だ」と述べ、話し合いは平行線に終わりました。
こうした菅総理大臣の対応も踏まえ、鳩山氏は、自民党などが提出した菅内閣に対する不信任決議案に賛成する意向を周辺に伝えました。
鳩山氏が“退陣”促すも…総理“拒否”で対立激化(06/01 11:47)
内閣不信任案をめぐる動きです。自民党など野党は、菅内閣に対する不信任案を1日中に提出する方針です。この可決には、民主党や与党系の無所属から81人が賛成に回ることが必要になります。ただ、これまでに小沢元代表に近い議員ら50人以上が賛成するとみられています。こうしたなか、鳩山前総理大臣が菅総理大臣と31日夜、2時間以上にわたって会談しました。
31日夜の会談で、鳩山氏は菅総理に自発的な退陣を求めましたが、菅総理はこれを拒否し、会談は物別れに終わりました。
会談で、鳩山氏は「国民のためには党が分裂しているようではいけない。挙党態勢を作るため協力してほしい」と菅総理に対して辞任を求めました。また、小沢元代表の登用も含めた大幅な人事の刷新を行うよう求めました。しかし、菅総理はいずれにも応じませんでした。
むしろ、菅総理は、中間派議員に直接電話で同調しないよう説得するなど否決に向けて必死です。ただ、会談の決裂を受けて、鳩山氏が賛成に回るとの見方も出てきたほか、不信任案に賛成する考えの小沢元代表に近い中堅議員らが集団で離党届を出す方向です。そのため、賛成に回る議員はさらに増える可能性も出ています。
また、反対するとみられていた社民党が態度を決められず欠席の方向になっていて、可決へのハードルが下がることになります。内閣不信任案が可決する可能性をはらみながら、民主党は分裂含みの様相となっています。