6月1日 21時16分
民主党の小沢元代表の政治資金を巡る事件で起訴された元秘書らの裁判は、元秘書らが裏金の受け取りを改めて否定して実質的な審理が終わりました。判決はことし秋に言い渡される見通しです。
民主党の小沢元代表の政治資金を巡る事件では、衆議院議員の石川知裕被告(37)と元公設秘書の大久保隆規被告(50)ら元秘書3人が、収支報告書にうその記載をしたとして、政治資金規正法違反の罪に問われ、いずれも無罪を主張しています。
東京地方裁判所で開かれた裁判では、元秘書3人の被告人質問が行われました。これまでの裁判で検察は、うその記載をしたのはダムの建設工事を巡って建設会社から裏金を受け取ったことを隠すためだったと主張していて、建設会社の元社長らは法廷で「石川議員と大久保元秘書に5000万円ずつ渡した」と証言しました。
これについて、石川議員は1日、「身に覚えがない」と述べ、裏金の受け取りを改めて否定しました。また、大久保元秘書も「裏金の話はそもそも存在しない」などと述べました。ことし2月に始まった裁判は、実質的な審理が1日で終わり、今後、検察の論告求刑と弁護側の最終弁論が行われます。判決はことし秋に言い渡される見通しです。
石川議員、裏金疑惑を改めて否定 「陸山会」公判
2011年6月2日1時42分
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件の公判は、1日午後も東京地裁で続いた。衆院議員の石川知裕被告(37)=政治資金規正法違反罪で起訴=は最後の被告人質問で、中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)からの裏金提供疑惑を「全く身に覚えがない」と改めて否定した。
これまでの公判では、同社の川村尚元社長(54)が、小沢氏の地元の胆沢ダム(岩手県奥州市)建設工事を下請け受注するため、2回に分けて計1億円の裏金を石川議員と元秘書の大久保隆規被告(50)=同=に渡したと証言した。
「2004年10月15日に東京都港区内のホテルのロビーで石川議員に5千万円を渡した」との元社長の証言について、石川議員はこの日、「元社長とホテルで会ったことはない」と強く否定した。
陸山会が04年10月に購入した土地代金の支出を、04年分でなく05年分の政治資金収支報告書に虚偽の記載をしたとされる起訴内容については、最後に裁判官から鋭い質問が相次いだ。
「実際に金を支払った時に政治資金収支報告書に記載するのではないか」と尋ねられると、石川議員は「司法書士に相談したら、本登記の日を支出日にできると言われたので、登記を翌年に延期した」と説明した。弁護側は、翌年にずらした理由を「民主党代表選が予想される状況で、騒がれる恐れがあった」と主張している。
石川議員 あらためて「裏献金」を否定
小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の収支報告書虚偽記入事件の第15回公判は1日午後も東京地裁(登石郁朗裁判長)で続き、政治資金規正法違反罪に問われた元私設秘書の衆院議員石川知裕被告(37)が被告人質問で、あらためて中堅ゼネコン水谷建設(三重県桑名市)からの「裏献金」を否定した。
石川議員は、2004年10月に5千万円を渡したとする川村尚前社長の証言に対し「全く身に覚えはなく、一貫して否定し続けている」と反論し、「前社長とは面識もない」と述べた。
土地購入費約3億5千万円を05年分の収支報告書にずらして記載したとする起訴内容については「司法書士からアドバイスをもらい、土地登記をした05年に記載した」と正当性を主張した。
一方、小沢元代表からの借入金に関して、収支報告書に記載のあるものとないものがあることを裁判官に指摘されると、「違いはうまく説明できない」と口ごもった。
2011年6月1日 16:55