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2011/06/09

8日夜、小沢グループの7人が前原氏を支持するグループの議員らと都内で会食した。小沢グループからの参加者はすべて内閣不信任案決議で反対に回った議員だった。

小沢氏動けず、切り札欠く「ポスト菅」 結束に危機感
2011/6/9 0:37
 内閣不信任決議案採決に欠席した民主党の小沢一郎元代表の執行部への対決姿勢が鳴りを潜めている。強く抵抗してきた民主党マニフェスト(政権公約)の修正も容認姿勢をにじませる。不信任案採決で行動をともにしたグループ14人の処分を控え、「ポスト菅」や大連立構想でも切り札が見当たらない。当面は事を荒立てず、党内の動向を注視する戦術のようだ。



 「誰がいいのか、みんなで相談してほしい」。元代表は8日、自らに近い議員にこう指示した。7日にも「結束できる候補を教えてほしい」と要請。グループ内の合意を重視する姿勢を示した。2日の不信任案採決前夜には小沢グループ衆院議員約100人のうち約70人が集結したが、採決で対応が分かれたため、結束に危機感を強めているとの見方が大勢だ。

 元代表は7日、「ポスト菅」の条件の一つとして「野党が協力できる体制」を挙げた。自民、公明両党などは民主党に重要法案への協力の前提としてマニフェストの大幅修正を求めている。元代表は最近、周囲に「政策は政党にとって大道具、小道具だ」と漏らした。

 背景には、党員資格停止の処分を受けている元代表が次回の党代表選に出馬できず、小沢グループが一致して推せる候補もいない事情がある。原口一博前総務相が不信任案の採決で反対に回ったことで、グループ内では「原口の芽はなくなった」との空気が広がる。

 小沢元代表は7日、内閣不信任案決議に欠席・棄権した議員と会い「できることは手伝うから何でも言ってほしい」と伝えた。だが8日夜、小沢グループの7人が前原氏を支持するグループの議員らと都内で会食した。小沢グループからの参加者はすべて内閣不信任案決議で反対に回った議員だった。出席者の一人は「党内で新たな足場を築くため今後も意見交換を続ける」と語った。