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2011/05/02

浜岡原発3号機再稼働問題 菅首相、「安全性が確保できているかどうかを慎重に見極めて運転再開を判断すべき」 川勝平太静岡県知事、「(首相の)発言は当然だ」

浜岡原発3号機の再開 首相「しっかり見極め判断」
2011/5/2 11:07
 菅直人首相は2日午前の参院予算委員会で、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の3号機の運転再開について「政府として本当に国民に安心してもらえるかどうかをしっかりと見極めて判断しなければならない」と述べ、慎重に判断する姿勢を示した。

 「地震・津波の想定よりも大きいものが現実にあったわけだから、それを前提とした見直しを行わなければならない。浜岡(原発)は従来より地震の影響を受けやすいところに立地しているのではないかという指摘もある」と説明。一方で「現在の電力供給の状況などもまったく無視するわけにはいかない」と語った。

 共産党の大門実紀史氏への答弁。〔日経QUICKニュース〕




浜岡原発“安全性見極め判断を”
5月2日 13時51分
菅総理大臣は、参議院予算委員会で、東京電力福島第一原発の事故を受けて、運転再開の時期が先送りされている静岡県の中部電力浜岡原子力発電所について、安全性が確保できているかどうかを慎重に見極めて運転再開を判断すべきだという考えを示しました。

静岡県御前崎市の中部電力浜岡原子力発電所を巡っては、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、当初予定されていた3号機の先月の運転再開が先送りされていますが、中部電力は、7月の運転再開を前提とした業績見通しを発表しました。

これに関連して、菅総理大臣は「従来から地震の影響を受けやすい場所に立地しているという指摘もある。その一方で、現在の電力供給の状況なども全く無視するわけにもいかない。運転再開する場合は、政府として、本当に国民に安心してもらえるかどうか、しっかり見極めて判断しなければならない」と述べ、安全性が確保できているかどうかを慎重に見極めて運転再開を判断すべきだという考えを示しました。

また、菅総理大臣は、原子力防災にかかる国の指針で示される地震や津波の想定について、「従来の想定よりも大きいものが現実にあったので、それを前提に見直しが行われなければならない」と述べました。





浜岡原発:運転再開、安心見極め判断 首相発言に知事「当然」 /静岡
 中部電力が7月に運転再開の意向を示している浜岡原発(御前崎市)3号機について、菅直人首相は2日の参院予算委員会で、「政府として国民に安心してもらえるかしっかり見極めて判断しなければならない」と発言し、再開について慎重に判断する考えを示した。川勝平太知事も同日、「(首相の)発言は当然だ」と述べ、国と地元からそろって厳しい見方が示された。

 菅首相は地震と津波に対する政府の安全基準について、新設する東京電力福島第1原発の事故調査委員会の結論を待たず、前倒しして見直す必要性についても言及した。

 川勝知事は中電の安全対策について「浜岡原発がまったく安全でないことを、菅首相も認識した上での発言だろう。中電の対策は不十分で浜岡原発を動かせる状況にはなっていない」と述べた。

 中部電力静岡支店は2日、「スケジュールありきで進めているわけではなく、地域の方々に理解を得た上で再開したいとのスタンスは変わっていない」と強調した。

 中電は4月28日、3号機の運転を7月に再開することを前提とした12年3月期の業績予想を発表。東日本大震災による東京電力福島第1原発の事故を受けた国の緊急安全対策で、中電は高さ12メートル以上の防波壁の設置や非常用電源の確保などをまとめている。【仲田力行、平林由梨】

毎日新聞 2011年5月3日 地方版




2011年5月3日(火)「しんぶん赤旗」

原発安全基準 首相「見直す」
「浜岡」「柏崎刈羽」再開
“安心見極め判断”

 菅直人首相は2日の参院予算委員会で、全国にある原発の地震・津波に対する安全基準について「従来の想定より大きい災害があったことを前提に見直さなければならない。地震が多発する時期に来ており、福島第1原発の検証結果を待たずに検討する必要がある」と述べ早急に見直しを進める考えを表明しました。日本共産党の大門実紀史議員への答弁。
大門議員に答弁
 大門氏は、全国の原発が想定している津波と耐震強度を提示し、「10メートル以上の津波と、阪神大震災レベルの地震(843ガル=揺れの勢い)に耐えられるものは一つもない」と追及。

 4月7日の余震でも、宮城県女川原発(東北電力)の想定値を超えていた事実を示し「震度6くらいで想定値を超えてしまう原発がほとんどだ。想定値の抜本的見直しが必要ではないか」と求めました。

 海江田万里経済産業相も「おっしゃる通り、(想定値は)早急に見直しをしたい」と答えました。

 大門氏は、運転再開が取りざたされている静岡県浜岡原発(中部電力)、新潟県柏崎刈羽原発(東京電力)についても地震と津波の備えが薄いとして「こんな状況で運転再開など許可していいのか。これを認めるかどうかは原発行政転換への試金石になる」と強調しました。

 菅首相は、「地震の影響を受けやすい場所に立地しているとの指摘を受けている。地元の意見もいろいろ出されており、政府として本当に国民に安心してもらえるのか、しっかり見極めて判断しなければならない」と述べました。

 大門氏は、政府が指示した緊急安全対策について、津波対策として打ち出されているのは冷却装置破壊後の電源車の配置などにすぎず、防潮堤など抜本的対策は中長期課題である上、地震対策が「全く欠落している」と批判。福島第1原発事故でも最初は、地震で送電鉄塔が倒れ外部電源が失われ、4月7日の余震でも、大きな縦揺れで青森県の東通原発などで外部電源が遮断されたことをあげ、地震対策に力を入れるべきだと述べました。

 海江田経産相は、対策が不十分だったとして、「中長期的な地震への備えをしっかりやらなければならない」と答えました。