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2011/05/17

露イワノフ副首相らの北方領土訪問に松本外相が抗議。 ロシア外務省、「訪問に対する抗議は不適当」

ロシア副首相らの北方領土訪問、日本政府が抗議
 外務省の小寺次郎欧州局長は15日、ロシアのイワノフ副首相らが北方領土を訪問したことを受け、ベールイ駐日ロシア大使に「日本政府として受け入れられず、遺憾だ」と電話で抗議した。
 ロシアは最近、北方領土の軍備増強も進めている。日本政府は一連の動きについて、「社会資本整備や軍備近代化など内政上の理由に加え、北方領土はロシアが支配しているとアピールする狙いがある」(外務省幹部)とみている。

 菅首相は26、27日に仏ドービルで開かれる主要8か国(G8)首脳会議の際、メドベージェフ露大統領と会談する予定で、この場で日本側の懸念を伝えることも検討している。日本側は首脳会談で領土問題進展の糸口をつかむことを期待していたが、ロシアの強硬姿勢が鮮明になり、「進展は当面、期待できない」という見方が強まっている。

(2011年5月16日00時03分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110515-OYT1T00493.htm







ロシア外務省、日本の抗議に「不適当」 北方領土訪問
2011年5月17日13時43分
 ロシア外務省は16日、イワノフ副首相ら政府代表団による15日の北方領土訪問に対して松本剛明外相が抗議したことについて、「訪問に対する遺憾の意の表明は不適当なものだ」とする声明を発表した。

 声明では「南クリル諸島(北方四島)に対するロシアの主権は論争の余地なく国際的根拠を持っている」と主張。「南クリルの帰属を疑問視する試みを続けることは、両国の利益進展に必要な日ロ関係での建設的な雰囲気を築くことにはならない」としている。

 3月の東日本大震災でロシアが対日支援に乗り出して以降、北方領土をめぐる非難の応酬は休止状態にあったが、今回のイワノフ副首相ら5閣僚の訪問で大震災以前の緊張状態に戻ったと言える。(モスクワ=副島英樹)