2011.05.03 Tue posted at: 09:22 JST
ワシントン(CNN) ブレナン米大統領補佐官(国土安保・テロ対策担当)は2日、パキスタンで殺害したオサマ・ビンラディン容疑者の遺体を米軍が水葬にしたことを明らかにした。イスラム法にのっとって24時間以内に埋葬する手段がなかったためとしている。
ブレナン補佐官はホワイトハウスで記者団に対し、「ビンラディンの遺体の処理、つまり、葬送は、イスラム教の教えと慣習を厳格に守って行われた」と述べ、米空母の甲板から水葬を行ったことを明らかにした。
国防総省高官によれば、アラビア海に停泊した米空母カールビンソンの甲板上で米東部時間2日午前1時10分から1時間かけて宗教儀式を行った。遺体は洗浄して白いシーツにくるみ、軍当局者が用意した声明を読み上げ、それを通訳がアラビア語で伝達。その後、遺体を板の上に乗せて海に流したという。
ビンラディン容疑者の遺体を引き取って葬儀を行う意思や能力を持つ国はなかったと同高官は説明する。ブレナン補佐官は、遺体を他国に搬送して葬儀を営もうとすれば、24時間以内の埋葬を定めたイスラム教の決まりに準拠することができなかったと釈明した。
米軍が遺体をヘリコプターから投棄せず、空母の甲板で儀式を行ったことにより、イスラム教徒からの批判はある程度抑えられたはずだと専門家は指摘する。米当局者からは、もし遺体を地面に埋葬すれば、その場所が聖地とされてしまう恐れがあると懸念する声も出ていた。
2011年 5月 03日(火曜日) 14:21
「ビンラディンは数年前に殺害されていた」
専門家らが、国際テロ組織アルカイダの指導者、ビンラディンは数年前に殺害されていたと考えています。
アメリカのオバマ大統領は、1日日曜夜、パキスタンでのアメリカ軍による作戦で、ビンラディンを殺害したことを発表しました。
アメリカのダンコフ元上院議員候補は、プレスTVのインタビューで、「多くのジャーナリストや政治専門家は、ビンラディンが既に数年前に殺害されていたと考えている」と語りました。
ダンコフ氏は、「ビンラディンは、かつてCIAの一員であり、アメリカ政府は彼を、旧ソ連軍との戦闘に利用していた」と語りました。
パキスタンのジオテレビの関係者も、「ビンラディンの遺体の写真は偽造されたものであり、2006年と2009年に公開された写真が加工修正されている」と述べました。
イギリスの新聞デイリーテレグラフも、2日月曜、(報告の中で、ビンラディンの遺体の写真と過去の写真を並べ、「ビンラディンの遺体だとされている写真は本物ではない」としました。
パキスタンの故ブット首相は、2007年に行われたインタビューの中で、ビンラディンの死亡を明らかにしていました。
アメリカの関係者は匿名で、ビンラディンの遺体がDNA鑑定後、パキスタンからアフガニスタンに移送され、水葬されたことを明らかにしました。
2001年のアメリカ同時多発テロ事件後、アメリカとその同盟国は、アルカイダの掃討を口実に、アフガニスタンを占領し、民間人数千人を殺害しました。
アナリストは、「ビンラディンは死亡したが、アメリカ軍は今後もアフガニスタン駐留を続けるだろう」と見ています。
【ビンラディン殺害発表後、アメリカ政府が治安対策】
プレスTVによりますと、アメリカ軍によるビンラディン殺害のニュースが発表されたことを受け、アメリカ政府は、世界中で、アメリカ人に対する暴力が高まることを懸念し、全世界のアメリカ国民に対して警戒を呼びかけました。
アメリカ政府はさらに、アルカイダの報復措置を恐れ、世界中の大使館や外交官、他国を旅行している市民に対して警戒を呼びかけています。
ビンラディン死亡のニュースが発表された後、特にヨーロッパ諸国のアメリカ大使館は、厳戒態勢を敷いています。