山梨県内の貴金属加工場から約1億2000万円相当の貴金属を奪ったとして、警視庁組織犯罪対策2課は19日、中国残留孤児マフィアグループ「怒羅権(ドラゴン)」のリーダーで西東京市新町2、自称会社役員、白井宇太郎容疑者(39)ら男5人を強盗傷害容疑などで逮捕したと発表した。
逮捕容疑は、07年12月8日夜、南アルプス市寺部の貴金属加工場で男性工場長(54)をバールで殴打して緊縛、金庫室からプラチナや金の地金など約1100点(約1億2000万円相当)と現金約50万円を奪ったとしている。工場長は顔などに約2週間のけが。白井容疑者ら2人は「身に覚えがない」と否認しているという。【山本太一】
毎日新聞 2011年5月19日 19時35分(最終更新 5月19日 21時36分)
1億2千万円強奪容疑 不良グループ「怒羅権」リーダーら4人逮捕
山梨の貴金属連続強盗
2011.5.19 12:05
山梨県で平成19年、貴金属卸売店や貴金属加工会社など3軒が相次いで襲撃され、総額約2億円相当の金品が奪われた連続強盗事件で、うち1件に関与したとして、警視庁と山梨県警は強盗致傷の疑いで、日本人と中国人の男4人を逮捕した。粘着テープで縛るなどして金品を奪う手口が似ていることなどから、警視庁はグループがほかの強盗事件にも関与したとみて、慎重に裏付け捜査を進めている。
逮捕されたのは、東京都西東京市新町の自称会社役員、白井宇太郎容疑者(39)ら男4人。警視庁によると、白井容疑者ら2人は容疑を否認し、他の2人は認めている。白井容疑者は不良グループ「怒羅権」(ドラゴン)のリーダーという。
逮捕容疑は19年12月8日午後7時半ごろ、南アルプス市の貴金属製造会社「協伸」加工場に押し入り、男性工場長(54)の顔を殴るなどして負傷させ、粘着テープで拘束。金庫から貴金属や地金計1億1930万円相当や、現金約54万円を奪ったなどとしている。
警視庁によると、同県では19年、甲府市や笛吹市の貴金属店などでも男らが押し入り、貴金属や現金を奪う事件が続発。従業員らを粘着テープで縛るなどして金品を奪う手口で、従業員が暴行を受けて負傷した事件もあった。
昨年になり、別の窃盗事件で逮捕・起訴された複数の男が、強盗事件への関与を自供。供述に基づき、警視庁が甲府市内の千代田湖を捜索したところ、被害品の貴金属が見つかった。