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2011/05/06

浜岡原発3号機再稼働問題 菅首相、「指示、命令という形は現在の法律制度では決まっていない。中電に理解してもらえるよう説得していきたい」

菅首相、浜岡原発の全原子炉運転停止を要請
2011/5/6 19:16
 菅直人首相は6日夜の記者会見で「中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)のすべての原子炉の運転停止を中電に要請した」と述べた。浜岡原発では4、5号機が現在稼働中。中電は定期点検中の3号機の運転を再開する可能性を示唆していた。




浜岡原発、全面停止へ…首相が中部電力に要請

 菅首相は6日夜、首相官邸で記者会見し、中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)のすべての原子炉の運転停止を、海江田経済産業相を通じて中部電力に要請したと発表した。

 理由として、静岡県を中心とする東海地震の発生確率が高いとされる中、防波壁の設置など津波対策強化の必要性を指摘した上で、「国民の安全と安心を考えた。重大な事故が発生した場合の日本社会全体の甚大な影響もあわせて考慮した」と説明した。中部電力も首相の要請を受け入れる方向だ。

 浜岡原発は、4、5号機が稼働中。点検のため運転を停止中の3号機は、東日本大震災の影響で運転再開を延期していた。1、2号機は運転を終了している。経済産業省原子力安全・保安院は6日、浜岡原発の防波壁など津波対策の実現には2~3年かかるとの見通しを示した。

 首相は、浜岡原発が東海地震の震源域内にあることを指摘した上で、「文部科学省の地震調査研究推進本部の評価によれば、30年以内にマグニチュード8程度の想定東海地震が発生する可能性は87%と極めて切迫している。防潮堤の設置など、中長期の対策を確実に実施することが必要だ」と強調した。

中部電力への停止要請については「指示、命令という形は現在の法律制度では決まっていない。中電に理解してもらえるよう説得していきたい」と述べた。

(2011年5月7日01時42分 読売新聞)



首相 浜岡原発すべて停止を要請
5月6日 19時20分
菅総理大臣は6日夜、緊急に記者会見し、静岡県御前崎市にある中部電力の浜岡原子力発電所について、近い将来の発生が懸念されている東海地震に対する対策が完成するまでの間、現在運転している4号機と5号機を含めた、すべての原子炉の運転を停止するよう、中部電力に要請したことを明らかにしました。

菅総理大臣は、6日夜、緊急に記者会見し、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、浜岡原子力発電所について、定期検査で運転を止めている3号機に加え、運転中の4号機と5号機も含めた、すべての原子炉の運転を停止するよう、中部電力に要請したことを明らかにしました。

運転停止を要請した理由について、菅総理大臣は「文部科学省の地震調査研究推進本部の評価によれば、これから30年以内に、マグニチュード8程度が想定される東海地震が発生する可能性は87%と、極めて切迫している。こうした浜岡原発の置かれた特別な状況を考慮するなら、想定される地震に十分耐えられるよう、防潮堤設置など、中長期の対策を確実に実施することが必要だ。対策が完成するまでの間、すべての原子炉の運転を停止すべきと判断した」と説明し、中長期対策が完成するまでの間、運転の再開を認めない考えを示しました。

そのうえで菅総理大臣は、中部電力が要請への回答を保留していることについて、「十分に理解を頂けるよう、説得していきたい」と述べました。

さらに菅総理大臣は、浜岡原発を停止した場合の電力供給について、「中部電力管内の電力の需給バランスに大きな支障が生じないよう、政府としても最大限の対策を講じていく。電力不足のリスクは、この地域の住民をはじめ全国民が、より一層、省電力、省エネルギーの工夫をしていただけることで、必ず乗り越えていけると私は確信している。多少の不足が生じる可能性はあるが、国民の理解と協力があれば、そうした夏場の電力需要に対して十分対応できる」と述べました。

このあと、担当の海江田経済産業大臣が記者会見し、補足の説明を行い、「火力発電と揚水発電を増やすとともに、それだけで足りない場合は関西電力からの援助も考えている。関西電力の社長にも電話し、支援をしっかりお願いしたいと伝えた。中部電力の管内で計画停電などの事態には至らないと思う」と述べ、関西電力からの電力の支援などによって電力需要に対応できるという認識を示しました。