中国の習近平国家副主席は、北京で民主党の鳩山前総理大臣と会談し、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、輸入を事実上、停止している日本の食料品について、日本政府が、安全をしっかり保証すべきだという考えを示しました。
この中で、習近平国家副主席は東日本大震災のお見舞いを伝え、「日本人が秩序正しく頑張っていることに感銘を受けた」と述べたうえで、原発の事故について「放射能汚染が続いており、正確な情報を教えてほしいし、一刻も早く解決してもらいたい」と述べました。
これに対して、鳩山前総理大臣は「大変申し訳ない。世界の英知を結集して、できるだけ早く止める手立てを作り上げたい」と述べました。
また、習副主席は、中国政府が原発事故を受けて、検疫に必要な書類を増やすなど、日本からの食料品の輸入を事実上停止していることについて、「日本政府が、もっと努力して、本当に安全だという保証をきちんと出してもらいたい」と述べました。
このあと、鳩山氏は記者団に対し「日本政府は、多くの国に行き、震災支援に感謝を伝えるとともに、原発事故をおわびすべきだ。また、政治家は、想定外という言葉を使うべきではなく、多くの人が亡くなったことに責任を感じなければならない」と述べました。
中国副主席「正確な情報を」 原発事故で鳩山前首相に
2011年5月6日10時41分
中国を訪問中の民主党の鳩山由紀夫前首相は5日、習近平(シー・チンピン)国家副主席と北京市内で会談した。鳩山氏によると、習氏は福島第一原発の事故について「正確な情報を教えてほしい」と語り、日本側に放射能汚染の程度や範囲など一層の情報提供を求めた。
習氏は「汚染を止めるために頑張ってもらうことを期待する」と、日本側に事故収束への努力を求める一方、日本からの輸出農産物について「日本政府として絶対に大丈夫だという保証をもっと出してほしい」とも述べたという。
鳩山氏は放射能汚染について「申し訳なく思う」と述べた。中国からの支援については「いち早く救援隊を出して頂いた。厳しい時に協力してくれる方が真の友だという認識を新たにした」と謝意を表明した。(北京=明楽麻子)
中国副主席、原発事故「正確な情報を」 鳩山氏と会談
2011/5/5 23:52
【北京=島田学】中国を訪問中の民主党の鳩山由紀夫前首相は5日、北京市内の釣魚台迎賓館で中国の次期最高指導者に内定している習近平国家副主席と会談した。習副主席は福島第1原子力発電所の事故について「放射能汚染の正確な情報を教えてほしい。事故についても一刻も早く収束させてほしい」と日本政府の対応に注文を付けた。
鳩山氏によると、習副主席は中国による日本からの食品輸入規制について「中国政府がいくら大丈夫だと言っても、中国国民がどう受け止めるかは別だ。日本政府が(安全性確保に)もっと努力してほしい」と述べたという。
会談では、今後の日中関係を巡って意見交換した。習副主席は「様々な小さな問題はあるが、小異を残して大同につくことが大事だ。日本から学びながら中国を発展させていく自信がある」と強調。鳩山氏が主張する東アジア共同体構想にも「中国として大いに共感している」と語った。
習副主席、日本の鳩山元首相と会談
2011-05-05 20:24:54
中国の習近平国家副主席は5日北京で、中日民間交流活動に参加するため中国を訪れている日本の鳩山由紀夫元首相と会談し、「国と国の往来は両国民の親しい交流を基礎とする。各分野における両国の民間往来は、国民の友情増進にプラスとなるだけでなく、中日戦略互恵関係の実質的な内容を豊かにさせることもできる」と表明しました。
中日関係について、習近平副主席は「中国は日本と共に、戦略的立場と長い目で両国関係発展の正しい方向をしっかりと把握し、政治的相互信頼をさらに増進させていく。また、各分野における交流と協力を強化し、敏感問題を適切に扱うと共に、戦略的相互信頼の増強や共同利益の拡大などの面で、中日戦略的互恵関係の前向きな発展を絶えず推進していく」と強調しました。
鳩山元首相は東日本大震災発生後、中国の政府と国民が提供した援助に感謝の意を表した上で、「日中双方は正しく歴史問題を処理しなければならない。小異を残して、大同を求め、両国関係を友好と協力の方向へ発展させていく」と語りました。
(翻訳:Katsu チェック:Kokusei)
原発事故の早期解決を中国副主席が要請 鳩山前首相は放射能汚染を陳謝
2011.5.6 09:10
民主党の鳩山由紀夫前首相は5日、中国の次期最高指導者に事実上確定している習近平国家副主席と北京市内の釣魚台迎賓館で会談した。会談で習氏は、東京電力福島第1原子力発電所事故に関し、「一刻も早く問題を解決していただきたい。放射性物質(放射能)汚染が続いているから、止めるために頑張ってもらうことを期待している」と要請した。
これに対し、鳩山氏は、「いまだに放射能汚染が止まっていない。空と海が毎日、汚染されてしまっていることを申し訳なく思っている」と陳謝。その上で、「できるだけ早い時期に汚染がなくなる手だてを世界の英知を結集して作り上げたい。中国にも協力をお願いしたい」と要請した。
習氏はまた、中国政府が日本産食品の輸入を規制していることに関し「日本政府として本当に安全で絶対に大丈夫だと保証してもらいたい。中国政府がいくら大丈夫だと言っても、中国の国民がどう受け止めるかは別だ」と指摘。大震災に際しての日本国民の行動に対しては「大変秩序正しくがんばっておられることに、非常に感銘を受けた」と称賛したという。
中国の国内総生産(GDP)が日本を抜いたことについて、習氏は「関心があるのは1人当たりのGDPで、そこはまだ日本の10分の1だ。日本から学びながら、中国を発展させたいし、発展させていく自信がある」と述べたという。
鳩山氏は訪問先のカザフスタンから5日、北京入りしていた。(中国総局)