東京電力は27日の記者会見で、福島第1原発1~4号機のタービン建屋や立て坑などにたまった汚染水を処理するための費用として、531億円を見込んでいると発表した。1トン当たり約21万円で、東電が負担するという。
東電によると、放射性物質で汚染された水を、フランスのアレバ社などが建設する施設で浄化。25万トンの汚染水を処理すると仮定し、浄化装置や仮設タンクの購入費なども含めて算出したという。
東電は、汚染水を浄化して原子炉へ戻し、循環させる「循環注水冷却」が実現できれば、処理量が減っていくとみている。しかし、汚染水が漏れ続ける事態になれば処理量が増え、必要な費用もさらに上積みされる恐れもある。
2011/05/27 22:33 【共同通信】
【原発】汚染水の処理に531億円 東電明らかに (05/28 07:25)
東京電力は、福島第一原発の放射性物質を含む大量の汚染水の処理に531億円かかるという見通しを初めて示しました。
福島第一原発には、現在、原子炉建屋の地下などに約10万トンの汚染水がたまっていますが、今後も核燃料の冷却を続けるため、年末までに20万トンの汚染水の発生を見込んでいます。27日、東京電力は、最大で25万トンの汚染水処理を想定し、その費用として531億円を見積もっていることを初めて明らかにしました。531億円のなかには、フランス「アレバ社」のシステムに関わる費用なども含まれていますが、その内訳については明らかにされていません。また、この費用にはメンテナンスなどは含まれていないということです。
【原発】仏アレバ社 汚染水浄化費用は数十億円(05/27 14:55)
フランスのアレバ社は、福島第一原発で発生する汚染水の浄化費用が数十億円になることを明らかにしました。
アレバ・ジャパン、レミー・オトベール社長:「浄化システムのすべてを合わせた費用は数十億円です。システムは固定価格で提供します」
アレバ社の浄化システムをめぐっては、処理に「兆円単位の費用がかかる」という指摘が出ています。これに対して、アレバ社日本法人のオトベール社長は、福島第一原発から出る汚染水の処理費用として数十億円で東京電力と契約したことを明らかにしました。また、浄化システムの稼働が来月半ばにずれ込んだことについて、アレバのシステムではなく、ほかのメーカーの遅れが原因だと説明しました。
汚染水25万トンの処理に531億円…東電試算
東京電力は27日、福島第一原子力発電所の汚染水処理費用が1トン21万円で、事故の収束に向けた工程表の「ステップ2」の達成を目指す来年1月中旬までに、25万トン分で約531億円かかると発表した。
東電は、ステップ2に要する当面の費用として、約4300億円を見込んでいるが、汚染水処理は10%以上を占めることが明らかになった。
汚染水処理装置は、仏アレバ社などの技術導入で建設中で、6月中旬の試運転開始を目指している。処理装置が完成すれば、炉心溶融(メルトダウン)が起きた1~3号機で、汚染水から放射性物質と塩分を取り除き、冷却水として再利用する「循環注水冷却」も実現のめどが立つ。ただ、来年1月以降も処理は続く見通しで、今後、汚染水の処理総額が膨らむのはほぼ確実だ。
また、同原発1号機で震災翌日、冷却用の海水注入を継続した吉田昌郎所長の判断をめぐり、経済産業省原子力安全・保安院は27日、東電に対し、注入継続が発覚する前に保安院に提出した報告を訂正するよう求めたことを明らかにした。
(2011年5月27日22時03分 読売新聞)