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2011/05/25

沿岸部に太陽光発電や風力発電の施設を。 「この地域は1つのモデルになり得る。私としては、ここを自然エネルギーの一大生産拠点にしたいと考えている」と菅首相は述べた。

「政権は4年やるべき」英紙インタビューで菅総理(05/25 05:50)
 自民党などが内閣不信任案の提出の検討に入るなか、菅総理大臣は「いったん決まった政権は4年ほどは行うべきだ」と述べ、長期政権への意欲を改めて示しました。

 イギリスの有力紙「フィナンシャル・タイムズ」のインタビューで菅総理は、日本の総理大臣がほぼ1年おきに交代していることについて「政策を実行するには半年や1年では効果がない」と強調しました。そのうえで、「2大政党による政権交代の場合、いったん決まった政権は4年ぐらいの任期を全うし、次の選挙で国民が判断することが必要だ」と述べ、長期政権への意欲を改めて強調しました。菅総理はこれまでも、「自らの任期中に震災の復旧や復興に加えて、社会保障や税制改革にも取り組むことができれば本望だ」などと政権維持に強い意欲を見せていました。




菅首相が語る日本の復興ビジョンサミット出発直前に受けたFTインタビュー
(2011年5月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

地震と津波、そして原発事故の危機がもたらした喫緊の課題に対処することは、どの総理大臣にとっても困難な仕事だと思われるかもしれない。

 しかし、数多くの難問に直面した菅直人首相は、自らが率いる与党・民主党内部からの激しい反発や、参議院を敵対的な野党に支配されている「ねじれ国会」での攻撃にも立ち向かわなければならない状況にある。

 それでも首相は、3月11日の震災後初のインタビューで、ただ当面の課題に対処するだけではなく、それ以上のことを政府は目指していると語ってみせた。

 具体的には、福島第一原子力発電所の安定化、津波や原発危機により避難を余儀なくされた住民の支援などに努めるとともに、日本は長年の構造問題に取り組み、貿易の自由化を進めたり、農業を改革したりする機会を捉えなければならないと述べている。

 特に、壊滅的な打撃を受けた沿岸部の地域社会の復興については――その多くは、震災前から経済の低迷や過疎化に悩まされてきた――単なる復旧で終わらせてはならないとしている。

 「以前よりも夢や希望のある新しいコミュニティーをつくらねばならない」と菅首相は語った。


東北を自然エネルギーの一大生産拠点に
 特に注目しているのはエネルギー政策だ。沿岸部に太陽光発電や風力発電の施設を造れば東北地方はこの種の電源開発の先頭に立てる可能性があり、津波で生じた瓦礫を燃やすことでバイオマス発電プラントの普及に弾みをつけ、瓦礫の処分が終わった後は地域の森林の間伐材を利用することも考えられるという。

 「この地域は1つのモデルになり得る。私としては、ここを自然エネルギーの一大生産拠点にしたいと考えている」と菅首相は述べた。

 こうした再生可能エネルギーの促進に加え、原発危機や、経済的に非常に重要な首都圏でこの夏に発生し得る電力不足も、省エネルギーを促進する機会になると認識されている。

 首相は実際、この危機を受けて、エネルギー効率が高まるように街や家庭のあり方が見直されてエネルギーの無駄遣いが減ることを望んでいる。日本の社会が進歩すると電力消費も増加するという構図が終わることにも期待している。

 「夏にうちわであおいだり、打ち水をして涼んだりするのはいいものだ・・・『足るを知り』、エネルギーを無駄遣いしない社会をつくる必要がある」

冷たい政治の現実、参議院議長からも辞任要求
 しかし、そうした期待は冷ややかな政治の現実と真っ向からぶつかる恐れがある。原発危機への政府の対応や、津波で壊滅した市街地の復興に向けた足取りを巡って、首相は主流のメディアからも政敵からも批判を浴びているからだ。

 3月11日の直後に見られた政治家たちの結束は早々に消えてしまった。かつて政権を握っていた自民党を含む野党は菅首相を辞任に追い込もうと、議事妨害や不信任決議案提出をちらつかせながら攻勢をかけている。

 菅内閣の支持率が低いことも――地震と津波が発生した後の上昇は小幅にとどまった――首相の脆弱さに拍車をかけている。身内の民主党内からの突き上げも次第に直接的になっている。

 民主党の古参議員である西岡武夫参議院議長は先週、日本最大の発行部数を誇る読売新聞への寄稿文で首相を痛烈に批判し、「即時辞任」を要求した。「菅首相には、(国を指導する)その必死さも、決意も、術もなく、急流で(馬を)乗り換える危険よりも、現状の危険が大きいと判断します」

 このような異議を突きつけられたことから、菅首相は昨年6月に就任したばかりだがすでにレームダックであるとの見方が強まっている。

G8サミットで各国指導者を安心させられるか?
 だが、欧州で今週開催される主要8カ国首脳会議(G8サミット)ではどうするのか、短命な日本の総理大臣のリストに加わることは回避できると説いて各国の指導者たちを安心させることはできるのか、という問いを向けられても、首相は動じないように見えた。

 それどころか菅首相は、当初は首相候補として持ち上げておきながら、実際にその職に就くとあっという間に態度が変わるとしてマスメディアを批判した。また、ほかの民主主義国を見習って、1つの政権がその真価を発揮できるように少なくとも3~4年は続くようにし、その後で有権者の審判を仰ぐようにすべきだ、と述べた。

 「日本にも、それが必要じゃないかと思うんだが」。首相は笑いながらこう言った。「もちろん、この答えでG8の首脳たちを安心させられるかどうかは分かりませんがね」

By Mure Dickie


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