海江田経済産業大臣は、静岡県の浜岡原子力発電所を視察し、定期点検中の3号機の運転再開について「結論を出すのは5月上旬」と述べ、近く方針を示す考えを明らかにしました。
浜岡原発3号機を巡っては、中部電力が7月に運転を再開させたいとしていますが、津波対策が不十分だとして、静岡県や地元自治体は慎重な姿勢を示しています。(05日19:36)
安全対策「少し疑問あった」=海江田経産相、浜岡原発を視察
海江田万里経済産業相は5日、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)を訪問し、緊急安全対策の状況を視察した。視察後、記者団に対し「幾つか具体的な指摘をした。(地震や津波発生時の)訓練が十分だったか、少し疑問もあった」と述べた。指摘の内容は明かさなかったが、視察や地元の意見を踏まえ5月上旬にまとめる安全対策への評価に反映させる方針だ。
中部電力は定期点検中の浜岡3号機について7月にも再稼働させる方針だが、地元では反対意見も多い。
海江田経産相は、川勝平太静岡県知事、石原茂雄御前崎市長らと会談。川勝知事は「津波対策は極めて不十分」との認識を改めて示すとともに、浜岡3号機について「(緊急安全対策の評価を)クリアしたからといってすぐには動かせない」と強調した。石原市長は「津波に対する安全基準の指針を国が出してほしい」と要望した。
これに対し海江田経産相は「日本経済全体を活性化させるために中部電力の電力エネルギーが大切だ。その中で(再稼働について)どういう判断をするかを考えないといけない」と答えるにとどめた。(2011/05/05-18:11)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011050500335
経産相:中部電浜岡原発を視察 対策に不十分な点を指摘
2011年5月5日 20時44分 更新:5月6日 10時45分
海江田万里経済産業相は5日、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)を視察し、東京電力福島第1原発事故を受けて、国が指示した原発の緊急安全対策の実施状況を確認した。視察後、海江田経産相は記者団に対し、「(地震や津波に対する)訓練など疑問のある点を指摘した」と述べ、中部電の対策に不十分な点があるとの認識を示した。視察や地元の意見を踏まえて、5月上旬に安全対策に対する評価を示す方針を明らかにした。
海江田経産相は、中部電が新設した災害対策用の発電機の設置状況や津波対策として高さ15メートル以上の防波壁を設置する予定の砂丘などを視察した。視察後に海江田経産相は、静岡県の川勝平太知事と御前崎市の石原茂雄市長らと会談。定期検査中の浜岡原発3号機の運転再開については、川勝知事は「津波対策は付け焼き刃で極めて不十分」と述べ、改めて3号機の運転再開に慎重な姿勢を示した。また、石原市長は「国は津波に対する安全基準の指針を示してほしい」と要望したが、運転再開の賛否について明確にしなかった。
会談終了後、海江田経産相は「津波対策にはまだ少し時間がかかるようだ。(運転再開については)真剣に考えている」と述べるにとどめた。一方、中部電の水野明久社長は「国の評価が出てすぐに運転再開ができるとは考えていない。地元にしっかり説明し、地元から(再開について)大丈夫と言われて前に進める」と述べ、地元の意見を尊重する意向を示した。【仲田力行、工藤昭久】