東日本大震災に絡むデマや根拠の不確かな情報が広まっているとして、警察庁は1日、インターネットや口コミで出回っている流言飛語の一部を公表した。
ネット掲示板などに掲載された悪質なデマ28件については、3月31日までに警察からサイト管理者に削除要請を行った。
「仙台市郊外で商品の略奪が横行」。宮城県内の避難所などで同様の風評が広がりネット掲示板でも書き込みが相次いだが、実際には名指しされたショッピングモールに窃盗などの被害はなかった。こうしたデマは口コミやチェーンメールのほか、存在しない新聞社名でネットに書き込まれたりして広がる。具体的な地名や店名を交えているために信用されやすく、警察や県庁に事実確認の問い合わせも複数寄せられている。
被災地の県警ではデマで名指しされた地域を重点的にパトロールし、被災者の安心感の確保に努めている。また、故意に誤情報を流した人物を特定すれば名誉毀損(きそん)や業務妨害容疑での立件も視野に捜査するという。
(2011年4月1日22時58分 読売新聞)
「強盗多発」などデマ情報注意を 警察庁が呼び掛け
2011/4/1 21:03
警察庁は1日、東日本大震災の被災地で「強盗や性犯罪が多発している」などと、不安をあおるような根拠のないデマ情報が流れていると発表した。震災後からこれまでに岩手、宮城、福島3県の被災地で確認された殺人や強盗、強姦などの重大犯罪はゼロ。警察庁は「不確かな情報をうのみにしないで」と呼びかけている。
警察庁が把握したデマ情報は、「被災地でナイフを持った外国人窃盗団が暗躍」「略奪が横行」などと犯罪に関するものや 「原発事故で有害な雨が降る」「あそこの水道水が危ない」といった生活の不安に関するものなど。インターネットの掲示板や、転送を呼びかけるチェーンメール、口コミで広がり、避難所などで安心のため自警団をつくる動きも出ている。
宮城など3県では、3県警に加え、警察庁が全国から警察官188人と81台のパトカーを派遣し、避難所や被災地周辺をパトロールしている。ネット上の情報に関しては、全国の警察が目を光らせ、サイト管理者へ削除依頼などをしている。
阪神淡路大震災の起きた1995年に兵庫県で確認された強姦は57件で前年と同じ。強盗は79件で同2件減っていた。