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2011/04/28

「統合本部」は、正式には「福島原子力発電所事故対策統合本部」と呼ばれる組織で、主に5つの組織から成り立っている

原発キーワード「統合本部」
2011年4月28日 10:57
 原子力発電所に関する報道、水や食物などへの影響に関する報道の中で、わかりにくい言葉や気になる情報を毎回1つピックアップし、日本テレビ報道局の担当記者が解説する「原発キーワード」。27日は、「統合本部」について原発事故取材班・門井亜希記者が解説する。




 「統合本部」は、正式には「福島原子力発電所事故対策統合本部」と呼ばれる組織で、主に5つの組織から成り立っている。まとめ役を担う事務局としての「官邸」、事故の当事者である「東京電力」、東京電力の監督官庁である経産省の代表「原子力安全・保安院」、内閣府の組織として専門的な知識から原発を監視する監査役を担う「原子力安全委員会」、放射線量の計測などを行う「文科省」だ。

 原子力安全・保安院は、東京電力に対して行政処分や直接命令を下すことができる。これに対し、原子力安全委員会は、首相を通じて東京電力や原子力安全・保安院に勧告はできるが、直接指揮はできない。「監督」と「監査」の役割分担のすみ分けはあるが、経産省から東京電力への天下りなどの指摘もあり、原子力安全・保安院と原子力安全委員会の統合案も浮上している。

 統合本部は25日、福島第一原子力発電所の事故発生から1か月以上たって初の共同記者会見を行った。東京電力や原子力安全・保安院、原子力安全委員会は所属する行政機関が違うため、個別に会見を行っていた。しかし内容をめぐって食い違いが起きることもあり、それぞれの立場や見方からの説明なので、いったいどの情報が正しいのか問題となっていた。このため、今回、一本化して見解を示すために共同会見を行うことになった。

 福島第一原発事故の対策は、東京電力と政府、原子力安全・保安院が中心となり、状況に応じて他の機関も加わっている。本部は東京電力本店(東京・千代田区)2階の大会議室にあり、24時間態勢で作業をしている。対策や作業の決め方は、発電所がある福島とテレビモニターで会議を行い、情報を共有しながら決めている。また、放射性物質を含む汚染水の浄化については、フランスの原発メーカー「アレバ」や「東芝」「日立」なども加わり、意見を出している。

 「統合本部」に参加している5つの組織の考え方は違うが、目的は「原発の現状の危機から脱出すること」で、一歩一歩着実にこの目的に向かっていることは確かだ。