福島県郡山市は27日、県の放射線量検査で数値が高かった市内の小中学校と公立保育所のうち、文部科学省の調査で市内で唯一、屋外活動が制限される基準値に達した市立薫小で校庭の表土を除去する作業を行った。
砂ぼこりが舞わないよう散水し、市が災害協定を結んでいる民間業者が、切削機など数種類の重機を使い約7000平方メートルの校庭の土を数センチ除去。表土を削るたびに放射線量を測った。
表土を取り除いた後に市の職員が放射線量を測定すると、作業前の6分の1に低下した地点もあった。保護者らからは、もっと早く校庭の汚染対策をすべきだったとの声が相次いだ。
[ 2011年4月28日 06:00 ]
郡山市が校庭の表土除去へ 保護者の不安に配慮
放射性物質の影響により、県内各地の小中学校や幼稚園などで、校庭での体育など屋外活動が自粛されている中、郡山市は今週中にも、県の調査などで放射線量が高かった市内の小中学校15校、公立保育所13カ所で校庭の表土の除去作業を始める。保護者から、子どもたちの健康への不安の声が寄せられていることから、担当者は「5月上旬にも作業を完了させたい」と話している。除去した表土は市内の処分場に埋める考えだが、国は土壌を埋める基準がまだないとして、「現時点ではその場に保管してほしい」としている。
(2011年4月26日 福島民友ニュース)
郡山市、校庭28か所の表土除去へ
福島県郡山市は25日、福島第一原発事故による放射線量の数値が高かった市内の小中学校と保育所の計28か所で校庭の表土を除去すると発表した。
県教育庁によると、県内の教育機関で放射線対策の土壌改良を行うのは初めて。
国の暫定基準では校庭の放射線量が毎時3・8マイクロ・シーベルト以上の場合、屋外活動を制限するとしており、県内13の小中学校、幼稚園などが該当していた。
郡山市で基準以上だったのは小学校1校だけだったが、市は地表から1センチの高さの放射線量について、小中学校は毎時3・8マイクロ・シーベルト以上、保育所や幼稚園では同3・0マイクロ・シーベルト以上の場合は表土を除去するという独自の基準を設定。県の調査結果を基に、除去作業を進める学校、保育所を決めた。取り除く表土は厚さ1~2センチを予定し、早ければ今週末から行う。除去した土は、市内の最終処分場に廃棄する。
同市は「放射線が土壌に深く浸透する前に実施し、いち早く学習環境を整えたい」としている。
(2011年4月26日01時28分 読売新聞)