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2011/04/28

3月半ばの事故発生当初は、内部被ばくを防ぐ活性炭フィルター付きのマスクが不足。女性社員が主に活動していた同棟2階ではマスクを着けずに業務が続けられていた

東電女性社員、被ばく限度超える…福島第1原発事故
 福島第1原発事故で、東京電力は27日、原発内で働いていた50代の女性社員が、国の規定を超える17・55ミリシーベルトの被ばくをしたと発表した。国は今回の事故対策に限り、作業員の被ばく放射線量限度を年間250ミリシーベルトに規定しているが、妊娠の可能性がある女性には「3か月で5ミリシーベルト」とより厳しい限度が設けられている。ほかに2人の女性社員が限度を超えた恐れがあるという。今回の事故対策で、国の規定を超える被ばくの判明は、男女通じて初となった。



 東電によると、この女性社員は、第1原発で消防関係業務を担当。後方支援に加え、消防車や作業車への給油のため、数回、現場でも作業した。

 東電では3月22日から、作業員の内部被ばく線量を順次、測定。この女性の被ばく線量は4月27日に判明した。作業での外部被ばくは3・95ミリシーベルトだったが、内部被ばくが13・6ミリシーベルトと高く、合計で規定限度の3倍以上となった。主な勤務場所だった免震重要棟ではマスクなしで働いており、この際、入り込んだ放射性物質を吸ったことが原因のひとつとみられるという。

 原発など放射線業務従事者の被ばく線量限度は、緊急時で年間100ミリシーベルト、今回の事故に限り250ミリシーベルトに規定された。だが、妊娠の可能性があり、影響が懸念される女性には適用されず「3か月で5ミリシーベルト」と、より厳しい規定が設けられている。

 3月24日に男性作業員3人が高濃度汚染水に触れ、大量被ばくする事故が起きた。ただその時は局所被ばく量は多かったが、総被ばく線量は250ミリシーベルト以下と診断されている。ここまでの検査で250ミリシーベルト超の男性作業員はおらず、国の規定限度を超える被ばくは、今回の女性が初となってしまった。

 東電によると、原発では女性社員は、今回の女性以外に18人勤務。うち16人の被ばく線量は規定内だったが、2人は限度を超えている恐れもあり、詳しく調べている。3月23日以降、女性は原発内で働いていない。また免震棟に出入りする作業員は多く、男性も大量の内部被ばくが、今後発覚する恐れも出てきた。

 女性は「検診の結果、健康に影響はない」(東電)という。だが、東電福島支店は会見で「管理を厳密に行わなければならなかった。認識が甘かった」と、放射線管理のミスを認めた。また、経産省原子力安全・保安院も「極めて遺憾」とした。

(2011年4月28日06時03分 スポーツ報知)




女性社員 建物内で被ばくか
4月28日 5時20分
東京電力福島第一原子力発電所で、50代の女性社員が、国の規則で定められた限度の3倍を超える放射線に被ばくしていた問題で、この女性社員は事故対策の拠点となっている建物の中で放射性物質を吸い込んだ疑いのあることが分かりました。

この問題は、福島第一原発で資材の管理などに当たっていた50代の女性社員が、国の規則で定められた女性作業員の3か月間の限度の3倍を超える17.55ミリシーベルトの放射線に被ばくしていたものです。

女性社員の被ばく量を詳しく調べた結果、体内に取り込まれた放射性物質による「内部被ばく」が13.6ミリシーベルトに上ったということです。

事故対策の拠点となっている建物の中には、先月12日に起きた水素爆発で高い濃度の放射性物質が入り込んだ一方で、女性社員はマスクをつけていなかったため、放射性物質を吸い込んだ疑いのあることが分かりました。

今回の事故のあと、原発で作業に当たる人たちの被ばくの限度は250ミリシーベルトに引き上げられていますが、妊娠の可能性のある女性については、通常と同じ3か月で5ミリシーベルトでの管理が求められています。

東京電力では、「内部被ばくや女性の被ばくについての認識が甘かった。申し訳なく思っている」と話しています。同じ建物で働いていた社員らのうち、ほかの女性2人も被ばく限度を超えているおそれがあり、東京電力で詳しく調べています。

この問題で、経済産業省の原子力・安全保安院は、東京電力を厳重に注意するとともに原因の究明や再発防止策の策定を求めました。







原発女性作業員 内部被ばく…線量限度の3倍超
 東日本大震災による福島第1原発事故の復旧作業に当たっていた東京電力の50代の女性社員が、国の基準を大きく超える17・55ミリシーベルトの放射線量を被ばくした。東電が27日、発表した。妊娠の可能性がある女性作業員の線量限度は「3カ月で5ミリシーベルト」と定められており、この3倍以上に当たる数値だ。

 この女性社員は、屋外で消防ポンプ車への給油や、1号機から300メートルの近距離にある事故対策拠点「免震重要棟」内で作業していた。外部被ばくは計3・95ミリシーベルトだったのに対し、内部被ばくが13・6ミリシーベルトあった。

 内部被ばくは、放射性物質を体内に取り込むことで起きる。(1)口からの摂取(2)呼吸による吸入(3)傷口や皮膚からの吸収――の3通りがあり、放射性物質が体外に排せつされるまで被ばくが続く。

 東電によると、3月半ばの事故発生当初は、内部被ばくを防ぐ活性炭フィルター付きのマスクが不足。女性社員が主に活動していた同棟2階ではマスクを着けずに業務が続けられていた。

 放射線業務従事者の通常の被ばく線量限度は「5年間で100ミリシーベルトを超えず、かつ、年間50ミリシーベルトを超えない」と規定。ただ、女性については胎児への影響も考慮して限度が設けられている。被ばくした女性社員は医師の診察で、健康に影響がないことが確認されたが、東電福島支店は「管理を厳密に行わなければならなかった。認識が甘かった」とした。

 同棟は1号機の水素爆発などの後、放射線量が高くなったとのデータがある。毎日多くの作業員が出入りしており、ほかにも高い線量の内部被ばくをした人がいる恐れが出てきた。第1原発には女性社員がほかに18人おり、このうち2人は同様に限度を超えた恐れがあるとみて調べている。女性社員は3月23日に同原発構内から退避させ、以降は作業させていない。

 被ばくしたとみられる時期は原子炉冷却に向け、懸命な放水作業も行われていた。3月17日に警視庁の高圧放水車と自衛隊の高圧消防車で3号機への放水を開始。同19日には東京消防庁の屈折消防塔車を投入し、同22日には4号機へ生コン圧送機によるピンポイント放水を実施している。

 東電は同22日から女性社員らの内部被ばく線量を順次測定しており、今回の女性社員の被ばく線量はこの日に判明した。

 ≪下剤などで排せつ治療≫ 外部被ばくは放射線源から遠ざかったり、放射性物質を洗い落としたりすると避けられるが、内部被ばくは放射性物質が体外に出るまで特定の臓器や組織に蓄積する。ヨウ素は甲状腺、ストロンチウムは骨、プルトニウムは肺や骨にたまりやすく、セシウムは全身。放射線は細胞を傷つけ、がんや白血病を引き起こす恐れがある。体内に入ったら、利尿剤や下剤、放射性物質の種類に合った薬で排せつして治療する。
[ 2011年4月28日 06:00 ]