菅直人首相は26日の衆院予算委員会で、在日韓国人男性から受けた献金の返還について「弁護士が私に代わって(献金を)返した。こっそりやったとかではない」と説明した。首相は在日韓国人男性から自身の資金管理団体「草志会」に104万円の献金を受け、東日本大震災発生直後の3月14日に返金した。
首相は返還の経緯について「弁護士が当事者(在日韓国人男性)と会い、公的な文書で国籍が日本でないと確認した」と語った。小野寺五典氏(自民)への答弁。【朝日弘行】
毎日新聞 2011年4月27日 東京朝刊
菅首相、在日韓国人からの献金104万円を返還 報告書訂正へ
2011.4.8 20:07
菅直人首相の資金管理団体「草志会」(東京都武蔵野市)が、在日韓国人系金融機関の元男性理事から献金を受けていた問題で、首相側がこの男性が韓国籍であると確認した上で、先月14日に献金計104万円を返却していたことが8日、分かった。首相が代理人の弁護士を通じて明らかにした。近く政治資金収支報告書を訂正するとしている。
政治資金収支報告書によると、首相の資金管理団体「草志会」は、旧横浜商銀信用組合(横浜市、現中央商銀信用組合)の元非常勤理事の男性から、首相が民主党代表代行だった平成18年9月に100万円、21年3月に2万円、同8月に1万円をそれぞれ受領。さらに民主党政権となった直後で、副総理兼国家戦略担当相だった同11月の1万円を合わせ、計104万円の献金を受けていた。
商銀関係者によると、男性は元年5月から20年6月まで同商銀の非常勤理事を務めていた。商業登記簿によると、現在はパチンコ店を経営し、横浜市に事務所を置く会社などの代表取締役を務めている。
首相の代理人は返却した理由を、「(男性が)韓国籍であることを公的な書面によって確認したため」としている。
首相は先月11日の参院決算委員会で、男性について「私が仲人をした知人から数年前、不動産関係の仕事をしている人として紹介された。釣りに誘われ、知人と3人で出かけたこともあり、数回会食したこともある」と説明。さらに、男性からの献金を認めた上で「日本名の方で日本国籍と思い、外国籍とは承知していなかった。外国人と確認されれば全額返金したい」と答弁していた。
政治資金規正法22条は、外国勢力の政治への影響を排除するため、「何人も外国人、外国法人から、政治活動に関する寄付を受けてはならない」と規定している。違反すれば、3年以下の禁固か50万円以下の罰金。罪が確定すれば、公民権停止の対象ともなる。
外国人からの献金問題では、3月に前原誠司前外相が京都市内の在日韓国人女性からの献金を認め、外相を辞任した。