焼肉を食べるときによく用いられる葉物野菜のサンチュ、千葉県旭市産のサンチュについて、県が出荷自粛を指示して、その後、国が出荷停止を指示したにもかかわらず、大手スーパーで販売されていたことがわかりました。
千葉県から出荷の自粛を指示されていた旭市の葉物野菜・サンチュが、大手スーパーで販売されていたことがわかりました。
旭市では、国の暫定規制値を超える放射性物質が検出されたサンチュや春菊など5品目について、先月20日から農協などに対し、出荷の自粛を指示していました。千葉県も先月29日に自粛を指示、今月4日からは国の出荷停止の対象となっていました。しかし、旭市が独自にサンチュの検査を実施したところ、暫定規制値を下回りました。そこで、市内の青果卸業者は、農協を通さずに2軒の農家から直接サンチュを仕入れ、先月29日から今月4日まで出荷していました。生産者の1人はJNNの取材に対し、「指示に従わなかったわけではなく、国や県などがはっきりしないため、自分たちで判断せざるを得なかった」と語りました。
「出回っていたということは非常に残念だと思っています。県としても非常に苦しい立場にありまして、生産者も対応には苦慮されていたと思います」(県農林水産部の会見)
大手スーパーのイオンは、関東エリアの57店舗でおよそ2200パックを販売。売り場からはすでに撤去しました。
都内にある焼肉店では旭市産を扱ったことはないものの、これまで各地のサンチュを仕入れてきました。原発の事故以降、長野県産に限定し、仕入れ先も1か所から3か所に増やしたということです。
「気にするお客さんなんかもいらっしゃるので、なるべく努力はしているつもりではいるんですが・・・」(草の家赤坂店 笠原一成料理長)
消費者団体は、国が制限の管理を徹底し、あらゆる情報を速やかに生産者や消費者に伝えるべきだと訴えます。
「どの時点で、どのポイントで検査しているのか、はっきりと消費者に示される必要がある。消費者の方は、市場に出たものが安心だとわかれば、ちゃんと買おうと、応援しようという気持ちは持っているわけだから」(全国消費者連絡会 阿南久事務局長)
この問題について農林水産省は、今後、出荷自粛や制限の対象になっている農林水産物が仕入れられることがないよう、食品流通関係団体に対し、チェックの徹底を求める文書を出しました。(13日23:18)
グリーンファーム株式会社 via kwout