高濃度汚染水の貯蔵先となる集中廃棄物処理施設には、各号機のタービン建屋を貫いてホースを通し、建屋や立て坑の汚染水を移す計画
第1原発、汚染水除去が本格化 2号機立て坑から移送
福島第1原発事故で東京電力は10日、1~3号機のタービン建屋内外にたまり、原子炉の冷却機能の復旧を阻んでいる汚染水の除去作業を本格化させた。2号機近くの立て坑にある高濃度の放射性物質を含む水を復水器(容量3千トン)に移送する作業を、11日にも始める。
高濃度汚染水の貯蔵先となる集中廃棄物処理施設には、各号機のタービン建屋を貫いてホースを通し、建屋や立て坑の汚染水を移す計画。原子炉を冷やすために3万トン近い水を注入する一方、漏れ出した汚染水の除去にも追われた1カ月。今後も複雑な作業が続き、事態収束は長期化の様相を呈している。
2号機立て坑の水位は24時間で2センチ上昇し、10日午前7時の時点で地表から92センチとなった。東電は満杯だった復水器の水を別のタンクに移し替える作業を9日に終了。立て坑の汚染水をポンプでくみ上げて空になった復水器に送り込む。
経済産業省原子力安全・保安院は「作業は急ぐ必要がある」とする一方、東電に対し、復水器の健全性や水が漏れた場合の対策の確認、作業員の被ばく管理徹底などを求めた。
集中廃棄物処理施設にあった比較的低濃度の汚染水9千トン余りについては、11日までに海への放出が終わる見通し。1号機の復水器を空ける作業も10日午前に終了。今後汚染水の貯蔵に活用する。
東電はこの日午後、小型の無人ヘリコプターで1~4号機の上空から原子炉建屋の状態を確認した。
2011/04/10 23:11 【共同通信】