東京電力は19日、福島第一原子力発電所2号機の原子炉建屋で実施した放射線量の調査で、データが十分取得できなかったことを明らかにした。
調査は18日、遠隔操作ロボット2台を使って行われた。東電社員らが映像を確認しながら、マジックハンドで建屋入り口の扉を開けて進入。放射線量の表示部をカメラで撮影しようとしたが、建屋内の湿度が94~99%と高く、入り口近くで毎時4・1ミリ・シーベルトを観測した後はレンズがくもり、データを読み取れなくなった。
17日に調査した1、3号機では毎時10~57ミリ・シーベルトという高い放射線量が検出されており、3号機では建屋内に多数の落下物が散乱していることも確認された。原子炉格納容器の下部にある圧力抑制室が破損している2号機では、建屋奥の放射線量はさらに高い可能性がある。東電は19日、建屋内部の写真を公表し、「2、3号機の建屋内の状態が悪く、このままでは作業に入れない」との見解を示した。
(2011年4月19日12時37分 読売新聞)
2号機、高湿度で作業困難か 福島第1
2011.4.19 13:03
東京電力は19日、ロボットを遠隔操作して2号機の原子炉建屋内を調査した結果を発表した。建屋の二重扉周辺の放射線量は毎時4・1ミリシーベルト。湿度が94~99%と高く、ロボットのカメラが曇ったため、扉周辺よりも奥の調査は断念した。
東電は「湿度が高いと視界が狭くなるため、全面マスクを着用しての作業が困難」とし、2号機の建屋内に人が入って作業を行うためには、換気などの対策が必要との認識を示した。
調査は18日に米アイロボット社製の「パックボット」2台を使って約50分間にわたって実施した。建屋内の温度は34~41度、酸素濃度は19~20%だった。
2号機の圧力抑制室は損傷し、高濃度の放射性物質で汚染された水の漏出源とみられている。圧力抑制室にたまった水の温度は約80度で、ここから出た水蒸気が建屋内に充満している可能性がある。
米国製ロボットが撮影した福島第一原発の2号機原子炉建屋1階部分。高い湿度のためレンズがくもり、画像がぼやけている(18日)=東京電力提供
1号機原子炉建屋の1階部分。コンクリ片のようながれきが床に散乱している(17日)=東京電力提供