2011/4/12 0:21 (2011/4/12 4:00更新)
統一地方選前半戦の惨敗を受け、民主党内では菅直人首相(党代表)や岡田克也幹事長への責任論がくすぶっている。小沢一郎元代表を支持する勢力が中心で、11日には両院議員総会の開催を求める声も出た。まず、標的になっているのは岡田氏。東日本大震災の復興対策で陣頭指揮に立つ首相への攻撃は、24日投開票の地方選後半戦や第1次補正予算の成立後が節目となりそうだ。
岡田氏は11日の記者会見で「責任は感じているが辞めろというのは違う」と辞任を否定。地元の三重県知事選で敗北したことも「何かあると誰か責任を取れというのは生産的でない」と不快感を示した。統一地方選を総括する全国幹事長・選挙責任者会議を5月下旬に開く考えを示した。
しかし、小沢元代表に近い党幹部は「幹事長はけじめをつけて辞めなければ駄目だ。全国幹事長会議の前に両院総会を開くべきだ」と息巻く。ベテランの一人も「責任がどこにあるのか党内で大いに議論したらいい」と語った。
党内の批判がまず幹事長に向かうのは選挙責任者として当然だが「首相は大震災の対応を優先せざるを得ず、今、かえるのは難しい」(小沢グループ幹部)との事情もある。外国人献金問題で外相を辞任した前原誠司氏に続き、岡田氏も「ポスト菅」レースから脱落すれば、小沢系が主導権を取り戻す余地も生まれる。
首相の進退問題が再浮上するのは第2次補正の財源問題で民主党マニフェスト(政権公約)の見直しなどを巡って与野党折衝が本格化する5月以降との見方が多い。震災前、首相の退陣論が上がった前原氏を支えるグループも仙谷由人官房副長官や枝野幸男官房長官が官邸入りで身動きが取れない状況。首相退陣を大連立の条件にする野党もひとまず党内の動きを注視する構えだ。
小沢氏に近い平野博文氏は11日、首相官邸で枝野幸男官房長官と会い、自らが会長の「日本再生戦略会議」がまとめた総額100兆円の財政出動を求める震災対応の緊急提言を手渡した。同会議は首相と距離を置く議員が多く、平野氏は「もっとしっかりやってくれという前向きの提言だ」と語った。